トヨタ自動車などの自動車メーカー5社、デンソーなどの電装部品メーカー2社、そしてルネサス エレクトロニクスなどの半導体関連メーカー5社の合計12社が、SoCの車載化研究開発を協力して進める「自動車用先端SoC技術研究組合(Advanced Soc Research for Automotive、ASRA)」を12月1日付で設立したことを発表した。
SoCはCPUを中心にGPUやDSPなどを搭載し、さまざまな演算処理を行うためのロジック半導体デバイス。近年は、さまざまな機能をチップレットに分けて、それを搭載することでさらなる高性能化を実現しようという取り組みが積極的に進められている。
ASRAはそうしたチップセットの活用でもたらされるハイパフォーマンスコンピューティングを自動車に適用することを目指した研究開発組合で、自動車メーカーが中心となることで自動車に求められる高い安全性と信頼性を追求するとともに、電装部品メーカーと半導体関連企業の技術力・経験知を結集することで、最先端技術の実用化を目指すとしている。
本部所在地は愛知県名古屋市の起業家やベンチャーの育成拠点「なごのキャンパス」内に設置。理事長にはトヨタ自動車の山本圭司シニアフェローが、専務理事にはデンソーの川原伸章シニアアドバイザーがそれぞれ就任している。
今後、ASRAでは2028年までに車載向けチップレット技術を確立させ、2030年以降の量産車へ開発されたSoC技術を搭載することを目指すとしており、そのために以下の3つの実用化の方向性を指し示している。
- 自動車メーカー各社のユースケースに基づく課題抽出からより車載化への実用性の高い技術研究を果たす。
- 半導体メーカーに加え、ECU・ツール・OSなど、幅広いメーカーの参画でターンキーの技術研究を果たす。
- 産官学連携をベースとした技術研究の体制構築により、半導体の人材育成の底上げを図る。
なお、ASRAに参画している12社は以下の通り(五十音順)。
自動車メーカー
- SUBARU
- トヨタ自動車
- 日産自動車
- 本田技研工業
- マツダ
電装部品メーカー
- デンソー
- パナソニック オートモーティブシステムズ
半導体関連企業
- ソシオネクスト
- 日本ケイデンス・デザイン・システムズ社
- 日本シノプシス
- ミライズテクノロジーズ、
- ルネサスエレクトロニクス