日本で先端DRAMを量産するマイクロンメモリ ジャパン広島工場(広島県東広島市)が使う工業用水の供給量がすでに上限に達しており、このままでは同社が日本政府の補助金を受けて準備している生産拡大に支障をきたす事態になっている。

これを受け、広島県と広島県水道広域連合企業団(広島県と県内14市町で構成)が新たな工業用水施設を設置することを決めたことを、同県の湯崎英彦知事が12月26日の定例記者会見で明らかにした。

約30億円を投じて2023年度中に設計し、2024年度内に工事を開始、2027年度からの給水開始を目指す。日本政府は今月、半導体の生産拠点に必要なインフラ整備に充当できる交付金制度を創設し、広島を含む4道県を補助対象に選んだが、広島県側は整備費の一部に交付金を充てるとしている。

現在、Micronの広島工場が使う東広島市の工業用水は、広島県水道広域連合企業団が三永水源地(東広島市)から供給しているが、すでに供給量は限界に達しており、Micronのさらなる生産拡大に対応できない状態になっていた。不足分を別の水源から賄わねばならないが、上水道の水源は枯渇気味で、市民に節水対策をお願いしている状態である。そこで、広島県は新たに太田川(土師ダム)を水源とした工業用水施設を新設することを決定、1日当たり2万6000m3分の工業用水を供給することを計画している。

同県の湯崎知事は「工業用水整備事業を進めることで、本件への投資の促進をもたらし、雇用確保にもつながる」と会見で述べている。

  • Micron広島工場がある東広島市への新たな工業用水供給に向けた整備計画の概要

    Micron広島工場がある東広島市への新たな工業用水供給に向けた整備計画の概要 (出所:広島県)