ノイズと静寂が混在する空間
出社の増加傾向が伝えられるなかで、リアル空間では以前とは比較にならないほどのノイズに遭遇する。久しぶりの対面を喜び合う歓喜の雄たけびなのかもしれないが、それだけではあるまい。コロナ禍前とは異なるレイアウトも影響しているようだ。
パーティションや仕切りの無いレイアウトは、執筆や編集業務にとっては大敵だ。聞きなれない概念や専門用語、単語などを紐解きながら文書を仕上げるには、文字を起こす工程よりも理解を進める工程に圧倒的に時間がかかる。校閲には、いわずもがな。
メリハリが効いていれば別ではあるが、ミスを減らすことが重要な業務と円滑なコミュニケーションが重要な業務とでは、本質的には相容れないコアの部分がある。極端な話、オペを行っているドクターや緊急致命的なバグを修復するプログラマの空間がノイズで満たされていては、大きな事故が続出してしまうのではないだろうか?
オープンさとノイズが混在するこの手の課題は、最近よく耳にする。対応できる業務レイアウトや個室ブースなど数々のアイテムが製品化されており、職場にも浸透しつつあるが、やはり数には限界がある。何かいいアイテムは無いだろうか?
ノイズキャンセリングイヤホンにあたってみた
逆位相の音で騒音を打ち消すモードを搭載する"耳栓"のような機能を持つノイズキャンセリングイヤホン。筆者は通常のイヤホンを常時使っていたのだが、遅ればせながら、はじめて"ノイズキャンセリングイヤホン"を購入してみた。早速イヤホンを装着、機能をオンにしてみる。
ーーなぜもっと早く購入しなかったのだろうか?
"ササーッ"と小さな音がタップした瞬間に消える。人の声やキーボードの打鍵音が消えるようなほどではないが、ノートPCのファンの音くらいのものがタップした瞬間に消える。職場における闇雲に大きな人の声や連続する咳払い、電子レンジの開閉、キーボード打鍵音なども多少は軽減されているように思う。
初使用であるため比較的安価なものを購入してみたのだが、こうなってくると俄然、高機能ノイズキャンセリングイヤホンに目が行く。メーカーやモデルによって性能や特質も異なるようだが、職場でよく出る騒音の周波数を分析して、ジャストフィットする特性のモデルにあたることでこの課題の軽減を図れるかもしれない。さらに、すばらしいモデルの開発を期待したい。そう思った次第だ。