NECは12月26日、各国の企業・機関・団体などが参加する自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)が2023年9月に公開した開示提言の採択者「TNFD Adopter」に登録したことを発表した。
TNFD Adopter登録の背景
近年、自然資本や生物多様性の保全や回復に向けた取り組みが気候変動対策と並んで注目を集める中、この重大な社会課題への対応として企業におけるネイチャーポジティブ経営の重要性が高まっている。
NECでは、TNFDフォーラムなどへの参画を通じて国際ルールにづくりに貢献してきており、これまでにTNFDのフレームワークであるβ版ver0.4を参照し、生物多様性を含む自然資本に関わる事業リスクや機会を開示するレポートを2023年7月に公開している。
同レポートは、製造業としての自社およびバリューチェーンに関して、自然への依存と影響を評価しているのに加え、機会としてデジタル技術が自然資本の見える化や保全に貢献することを示したもの。
例えば、AI営農ソリューション「CropScope」は持続可能な農作物の生産や調達に貢献し、ブロックチェーン(分散型台帳)技術を活用した次世代型木材流通システムはサプライチェーンを通じたトレーサビリティの担保に貢献している。
今回、NECは2023年9月に公開されたTNFDフレームワークの正式版を参照し、自然資本への依存と影響、それに由来する事業リスクと機会の情報開示をさらに充実させていく方針。また今後もNECグループでの経験を活かしながら、さまざまな産業・企業のネイチャーポジティブを目指した変革を伴走支援を実施したい構え。