NTTデータは12月26日、金融機関のデータドリブン経営への変革を実現するデータ利活用基盤「Service Innovation Core(SIC)」の提供を2024年度より開始すると発表した。同サービスは、金融機関がグループ全体で顧客情報を一元管理し、他システムとの柔軟な連携を可能にするという。

金融サービスや顧客ニーズの多様化に対応

金融機関を取り巻く環境が大きく変化している中、金融サービスや顧客ニーズの多様化などに対応するため、金融機関はデータドリブン経営への変革に取り組んでいる。

NTTデータはこのたび、クラウド技術の知見や情報系システムのデータモデリングに関するノウハウを生かし、銀行内外のデータの一元管理およびその分析、活用による業務・サービスの革新を実現するべく同サービスの提供を開始する。

「Service Innovation Core」の概要

同サービスは、顧客情報の一元管理機能、クラウド・データプラットフォーム(Snowflake)による柔軟なデータマネジメント機能、トランザクション情報のリアルタイム連携機能の3つの機能と、AI分析基盤(オプションサービス)およびデータ利活用の分析・人材育成における伴走支援サービスを提供する。

  • SICの全体像

    SICの全体像

顧客情報の一元管理機能では、銀行の各種システムに散在する情報をはじめ、グループ会社情報や行政が持つ統計情報等の外部データを含めた情報の一元管理を実現する。また、NTTデータが金融システムで培ってきたノウハウを活用し、Snowflake上で利用しやすいデータベースを構築する。Snowflakeと連携しているデータプロバイダーと接続できるSnowflakeマーケットプレイスとも連携し、多くの金融機関で利用されている外部データの分析への利用や自社データとの統合を可能にする。

さらに、顧客動態を早期検知可能とする、顧客の取引情報等のリアルタイム連携機能を提供。加えてAPI機能(2024年度内に提供予定)により一元化された顧客情報へのアクセスを可能とすることで、新規サービスとの接続をこれまで以上にスピーディーに実現するとしている。

また、大量データに基づく分析できるDataRobot環境を共同利用型サービスとして提供する予定。AWS国内環境での構築により、セキュリティー面を向上させる他、SICとのデータ連携がシームレスとなる。これにより、事前のデータ収集・集計・加工など準備作業や分析対象データの追加/継続的なアップデート作業の負荷の軽減を実現し、ビジネス分析・意思決定の早期化や商品・サービスの向上、新たなビジネスの創出等を可能にするとしている。

同社は今後、SICの導入を通じてサービス利用行間でコミュニティーを形成し、データを秘匿化したうえで、ビッグデータ分析の高度化を目指していく考えだ。