デジタルガレージ、りそなグループとの資本業務提携を強化 投資・オープンイノベーション事業を協業

デジタルガレージとりそなホールディングスは12月22日、2022年11月に締結した資本業務提携のさらなる強化について合意したと発表した。これにより両社は、決済事業・次世代Fintech事業の提携強化に加え、新たにスタートアップ投資とオープンイノベーション事業の協業を開始する。本提携強化に伴い、りそなホールディングスは、デジタルガレージの第三者割当による自己株式処分と市場買付を通じ、デジタルガレージ株式の10%程度の追加取得を予定している。

デジタルガレージとりそなホールディングスは、2022年11月に資本業務提携を締結。決済事業を軸とした両グループ間の協業を着実に拡大してきた。このほど、本業務提携のさらなる強化について合意した。

本提携強化により経営資源のさらなる融合を図り、双方の中期経営計画の注力事業としてともに掲げる、決済事業の強化・シェア拡大と、金融・DXサービス等の次世代Fintech事業の成長加速を通じて、便利で安心・安全なキャッシュレス社会の実現に貢献を目指す。

決済事業においては、りそなホールディングスの決済子会社である、りそな決済サービスを中核とした一体営業体制を通じ、りそなグループの法人顧客50万社へ決済サービスを提供。デジタルガレージによるりそな決済サービスの株式取得と持分法適用会社化、りそな決済サービスに対するデジタルガレージの最新の決済サービス提供と営業強化に向けた人材の出向派遣および受け入れ、りそなグループの800超の有人拠点や3000名規模の法人ビジネス人材と連動する一体営業体制の構築および営業力強化を行う。

次世代Fintech事業においては、多様化する顧客ニーズに応える次世代Fintechサービスを共同開発し、両社の顧客向けに提供。デジタルガレージの決済加盟店に対する、りそな決済サービスを含むりそなグループの金融ソリューションの提供、多様化・高度化する顧客ニーズに応えるテクノロジーを活用した決済・金融・DXサービスの共同開発と両社の顧客への提供を行う。

新たに協業を開始するスタートアップ投資とオープンイノベーション事業においては、投資ファンドの共同運営と先進技術・ビジネスモデル取込による成長加速を目指す。100億円以上のベンチャーファンドの共同設立、およびデジタルガレージ保有の営業投資有価証券の本ファンドへの一部移管と共同運営、スタートアップが保有する先進的な技術・事業モデルの活用による、両社決済事業・次世代Fintech事業の成長加速を図る。

本提携強化に伴い、デジタルガレージは、第三者割当による自己株式処分を行うことを決議し、処分予定先であるりそなホールディングスとの間で、総数株式引受契約(普通株式250万株)を締結した。この第三者割当による自己株式の処分の実施後、りそなホールディングスは、デジタルガレージの普通株式を市場買付により226万1000株追加取得する予定となっており、当該追加取得が完了すると、りそなホールディングスはデジタルガレージの主要株主となる。

さらに今回の提携強化に関連する取引として、りそなグループとの一体営業体制をより強固なものとすることを目的として、デジタルガレージがりそな決済サービスの株式の一部を取得することについて、りそなホールディングスとの間で基本合意した。

デジタルガレージは、りそなグループとの連携により、りそなグループの顧客に対して自社グループが有する最先端の決済ソリューションを提供する。さらに自社グループの顧客に対し、りそなグループの金融領域のソリューションを提供する。

デジタルガレージとりそなグループは、出資総額を100億円以上とする投資ファンドを共同で組成し、当該共同投資ファンドにデジタルガレージの子会社であるDGベンチャーズの保有する営業投資有価証券の一部を取得させた上で、共同で当該共同投資ファンドを運営することについても基本合意した。

デジタルガレージは、第三者割当による自己株式の処分を通じて調達した資金をりそな決済サービスを含む決済事業強化に向けたM&A資金や、次世代Fintech事業に対する新規事業投資、決済システム基盤の強化に向けたシステム開発投資に活用する。

また、当該決済システム基盤を外部決済事業者に提供する「プロセシング・プラットフォーム事業」を新たに展開。あらゆる企業が簡単かつ効率的に決済事業に参入できる、当該決済システム基盤の提供を通じて日本のFintech市場の健全な発展を支援する。

本提携を通じて、決済事業に加えて、法人向け金融事業やEC事業、購買データを活用したマーケティング事業、顧客課題を解決する多様な金融・DXサービスの展開を強化するとしており、自社グループ戦略「DG FinTech Shift」に掲げる収益モデルの多層化と利益率の拡大を加速させるとともに、中期経営計画(2023年5月策定・発表/ 2024年3月期-2028年3月期)の早期達成を目指す。

これらの取り組みにあたり、デジタルガレージ 代表取締役 兼 社長執行役員グループCEO 林郁氏は、「デジタルガレージは、決済とデータ、テクノロジーを融合させたグループ戦略『DG FinTech Shift』を掲げ、さまざまな戦略パートナーとともに取組みを加速しています。銀行法の緩和等、地域・社会の課題解決に対する金融機関への期待が高まる中、本提携強化は両社にとって大きな成長機会になると期待しています。『リテールNo.1』を掲げ、国内有数の法人顧客や有人拠点、そして、法人ビジネス人材および金融知見を有するりそなグループとの提携強化を通じて、『DG FinTech Shift』をさらに加速させ、日本の次世代ビジネスモデルの創造に貢献していきます」とコメントした。

りそなホールディングス 取締役兼代表執行役社長 南昌宏氏は、「りそなグループは、『リテールNo.1』のソリューショングループを目指し、戦略的パートナーとの価値の共創・拡大に取り組んでおります。本提携強化を通じて双方の強みを融合させることで、多様化・高度化するこまりごと・社会課題を解決し、両社の決済ビジネスの飛躍的な成長を実現できると確信しております。優れた決済ソリューションやグローバルなスタートアップエコシステムを有し、さらには未知の領域に勇敢に挑むファーストペンギンスピリットを体現するデジタルガレージとの提携強化を通じて、リテールのお客さまに全く新しい決済体験を提供し、これまで以上にお客さま・地域社会に貢献してまいります」とコメントした。