東京大学 大学院医学系研究科、同医学部附属病院、東日本電信電話(以下、NTT東日本)、日本電子、ニコン、ニコンソリューションズは12月21日、研究デジタルトランスフォーメーション(リモートバイオDX)を推進する連携協定を締結したことを発表した。生命科学・医学分野で必要な大規模データの共有と利活用、遠隔での実験を可能にするリモート研究環境の構築、およびその基盤となる要素技術やシステム開発などを推進する。
今回の連携協定により、主に遠隔での研究機器操作やデータ取得と解析を実現するデジタルインフラの実現、遠隔での画像データ共有化による指導・対話・教育システムの実現、大規模生命科学・医学データの安全性の高い保管・移動・解析を可能にするデジタルインフラの実現などに取り組む。
遠隔での研究機器操作やデータ取得と解析を実現するデジタルインフラの実現では、日本電子とニコンの機器をNTT東日本の「APN IOWN1.0」の低遅延なネットワークで接続することで、遠隔からでも現地で操作するのと同程度の操作性を目指す。また、取得した膨大な実験データを高速に転送し、研究者間で安全にシェアできる仕組みを開発する。
さらに、バイオ領域の実験では複数の専門家が1台の顕微鏡画像をリアルタイムで見ながら議論する機会も珍しくないことから、リアルタイムにコミュニケーションが可能になり、遠隔地からでも同じ場所にいるかのように共同研究ができる世界(Remote World Collaboration)の実現を目指すとしている。
合わせて、今後爆発的な増加が予測されるバイオ領域のデータを安全に格納・保存でき、データ自体を高速に転送しながら高性能なAI(Artificial Intelligence:人工知能)サーバを用いて解析できる仕組みなども目指すようだ。