電通デジタルは12月20日、生活者の実態について調査した「リテールDX調査(2023年版)」の結果を公表した。多くの手続きでオンラインなど人を介さない手段を今後利用したいと考えている一方、臨機応変な対応が求められる手続きについては無人を求める割合が低い傾向であった。
「オンラインなど無人の手続き手段を利用したい」が61.2%
同レポートは、東京都、名古屋市、大阪市に住む18~69歳の男女を対象に9月12日~9月14日、「銀行」「生命保険」「通信」の3つの業種を対象に、それぞれ代表的な5つの手続きで、「店舗や担当者による有人の手続き」もしくは「デジタル接点などの無人の手続き」のどちらを求めるのか、またそれを選好する理由について調査した結果に基づく。
今後、自身で手続きを行う必要が発生した際にどのような手段・方法で行いたいかを尋ねると、「オンラインなど無人の手続き手段を利用したい」が61.2%、店舗など有人の手続き手段を利用したいが38.8%。調査対象の計15種類の手続きのうち14種類において、それぞれ半数以上が今後手続きを行う際には「オンライン手続きなどの人や店舗を介さない手段を利用したい」と回答し、多くの生活者は「デジタル接点などの無人の手段」を求めていることがわかった。
その理由を聞くと、「オンラインやデジタル上での手続きの方が効率的」が50.2%で最多。次いで「場所や時間に制限されることなく、いつでもどこでも自分のペースでできるから」(47.7%)、「店舗やコールセンターは待ち時間が長い、繋がりにくいから」(34.4%)が上位回答であった。
また、今後、自身で手続きを行う必要が発生した際にどのような手段・方法で行いたいか尋ねると、過去に無人手続きを利用したことがない人が「無人手続き」と回答したのは49.0%であったのに対し、過去に無人手続きを利用したことがある人は83.3%と、過去にオンライン手続きなど無人手続きを利用した人は、今後も継続して無人手続きを利用する意向が強かった。
住所変更や口座開設などで需要あり
今後、自身で手続きを行う必要が発生した際にどのような手段・方法で行いたいかという質問に対しては、手続きの性質により今後の利用意向が異なった。住所変更・銀行の口座開設など手続きの内容が明確な手続きは無人手続きを求める傾向が強い一方で、相談・契約・トラブル対応など臨機応変な対応が求められる手続きではその傾向は弱く、有人の手続きを求める声も多い。
過去に自身が行った手段・方法については、「オペレーターとのビデオ通話」や「AIチャットボット」の利用経験率はいまだに5%を下回っており、現時点では一般には定着していないことが判明した。