熟練の技が求められるトラックへの荷積み
SGホールディングス、佐川急便、住友商事、米ユニコーン企業でAIロボティクスソフトウェアの開発を行うDexterityは、今後の労働力不足および輸送力不足に対応していくことを目的に、「AI搭載の荷積みロボット」の実証実験を行う共同プロジェクトを発足したことを発表した。
物流業界では、労働人口減少による労働力不足に伴う2030年の輸送力不足問題が取り沙汰されており、トラックドライバーの労働負担の軽減などといった労働環境の改善が求められている。
中でも物流センターなどにおける荷積み作業は、トラックドライバーや積み込み作業者が荷物のサイズ・形状・重さのほか、送り状の備考欄の記載内容や梱包資材の状態などを確認し、重たい荷物を下に、軽量であったり壊れやすそうな物が入っていそうな荷物は手前に荷積みするなどそれぞれの荷物に合わせた対応が求められることなるため、そうした輸送品質を維持するためには荷積みロボットでは代替することが難しく、現場への導入は難しかったという。
AIの活用で荷積みに即したロボットの実現へ
今回の共同プロジェクトは、そうした困難とされてきた物流業界における荷積みを、Dexterityが佐川急便の荷積み現場に即した形のAI荷積みロボットを開発することで人手に代わって任せることを目指そうというもの。2023年12月より米国の物流業界でロボットの導入実績のあるDexterityが同社の米国施設での実際のロボット開発を進めるほか、佐川急便の物流オペレーション現場、具体的にはSGホールディングスグループの次世代型大規模物流センターである「Xフロンティア」にて、そうして開発されたAI搭載の荷積みロボットに実際の物流オペレーションを学ばせることで、佐川急便が求める輸送品質の実現を1年かけて行っていく予定としている。
なお、今回の実証実験にかかる費用は6億円が見積もられており、4者ではAI搭載の荷積みロボットが佐川急便の求める輸送品質と人手作業の代替として十分な機能を果たすことが確認でき次第、実用化に向けて、今後新設される佐川急便の大規模中継センターなどへの導入検討を行っていく予定だとしている。