米国の中堅半導体洗浄装置メーカーであるSHELLBACK Semiconductor Technologyは、東京エレクトロン(TEL)から小口径バッチスプレー式半導体洗浄装置(200mm、150mm、100mmウェハ対応)「MERCURY+シリーズ」の事業を買収したことを発表した。
MERCURY+バッチ式スプレー洗浄装置は、もともとTELが2012年に買収した米FSI Internationalが開発した洗浄装置の系譜に連なるもの。従来の縦長の多層浸漬式洗浄装置とは異なり、回転するチャンバーの中央から薬液や純水がウェハカセットに収納されたウェハに噴霧される方式のため、省スペースで、非先端分野の少量多品種製造ラインで活用されてきた。2012年のTELによるFSI買収以降はTELが販売を引き継いで
FSI Internationalは、2012年に東京エレクトロンに買収され、同社がFSIの洗浄装置の販売を引き継いでいた。MERCURY+は、マニュアル操作のレガシー機種で、300mmウェハには対応していない。今回の事業譲渡はMERCURY+シリーズに関するもので、TELが手掛けている300mmウェハ対応の全自動のスプレー式洗浄装置「ZETA+シリーズ」は対象外となっており、TELでは今後もZETA+の高度な機能をさらに強化していくことに注力するとしている。
なお、SHELLBACKとTELの今回の契約には、Mercury+に関する知的財産も含まれており、これによりSHELLBACKは、Mercury+の新品および中古再生システム、アップグレード、部品、およびフィールドサービスサポートを世界中の半導体メーカーに提供できるようになるという。SHELLBACKでは、米ペンシルベニア州クーパースバーグにある自社工場でMercury+の製造を行う予定としている。
また、SHELLBACKのCEOであるWayne Jeveli氏は、「Mercury+は、パワーデバイスやMEMSなどの新興市場に最適な高スループット機能を備えた、業界をリードするSHELLBACKの既存の湿式プロセス技術を補完する洗浄装置となる。売却先としてSHELLBACKを選択してくれたTELに感謝する。今後数か月かけてTELのグローバルな担当チームと協力してMercury+製品の移管作業を進めていくる」と述べている。