米国ニューヨーク州のKathy Hochul(キャシー・ホークル)知事は12月11日(米国時間)、州都アルバニーのニューヨーク州立大学College of Nanotechnology, Science, and Engineeringのキャンパスにあるアルバニー・ナノテク・コンプレックスに、IBM、Micron Technology、Applied Materials(AMAT)、東京エレクトロン(TEL)などの半導体業界パートナーと共同で100億ドルを投資し、「Next-generation Semiconductor Research and Development Center(次世代半導体研究開発センター)」を設立すると発表した。

  • 半導体研究施設への投資計画を発表するニューヨーク州知事のKathy Hochul氏

    半導体研究施設への投資計画を発表するニューヨーク州知事のKathy Hochul氏 (出所:ニューヨーク州知事)

計画によると、このうちニューヨーク州政府が10億ドルを負担し、ASMLの高NA EUV露光装置「EXE:5200」の購入を担当し、北米で初めてかつ唯一となる公的所有のHigh-NA EUV Centerを設置するという。EUV施設を含む次世代半導体研究開発センターのクリーンルームの広さは5万平方フィート(=4645平方メートル)としている。

ニューヨーク州は全米でも先進的な公営半導体研究開発インフラ拠点であり、今回の投資は、ハイテク経済の長期的な成長のサポートにつながり、新たに700人の直接雇用と600人の建設関連の仕事を創出するという。

  • 発表に臨むKathy Hochul知事

    発表に臨むKathy Hochul知事と州政府および共同出資企業関係者たちの集合写真 (出所:ニューヨーク州知事)

High-NA EUV Centerは、先端半導体の研究開発拠点という位置づけとなる予定で、そこからさらなる先端技術が生み出されていくことで、世界中からより多くの企業を誘致することが期待できるようになると関係者はみている。また、この官民パートナーシップは、米商務省NISTが開設を計画している「国立半導体技術センター(NSTC)」のアンカーハブの役割を確保するための有力候補としての地位を高めることになるとしている。

なお、ニューヨーク州と半導体業界パートナー各社は、温室効果ガスの排出削減に向けた利用可能な最良の技術の使用を含む、さまざまな持続可能性への取り組みに同意しているとのことで、パートナー各社は、持続可能な半導体製造プロセス、材料の使用、廃棄物の再利用と再生、ファブ設計などで持続可能な研究開発に取り組み、先端プロセスのみならず、環境面でも世界をリードしていくとしている。