サイバーエージェントは12月18日、同社の人工知能技術 研究開発組織「AI Lab」と官公庁・自治体のDX推進支援を行う専門開発組織「GovTech開発センター」および東京大学マーケットデザインセンター(UTMD)が、官公庁・自治体向けの生成AIを活用したチャットボットの社会実装に向けた実証実験を11月より開始。その第1弾として、佐賀市子育て支援部保育幼稚園課への来訪者を対象に、子供を保育施設に入れるために保護者が行う活動(保活)の支援を目的とする生成AIを活用したチャットボットの実証実験を行ったことを発表した。
この実証実験は11月16日~17日の2日間、期間中に佐賀市子育て支援部保育幼稚園課へ来訪した人を対象に、来訪目的や生成AIを活用したチャットボットに関する意識調査を行うとともに、チャットボットに質問を行う形で実際に利用してもらい、終了後にも意識調査を行った。また、佐賀市子育て支援部保育幼稚園課の窓口でよく聞かれる質問を職員に確認し、参加者のチャットボットへの質問と比較した。
その結果、チャットボットの利用後に「有用だと思う」と回答した実験参加者は利用前と比較して約2倍に増加したという。また、利用前は「わからない」と回答していた利用者も「まあまあ有用だと思う」以上の回答をしており、ネガティブな印象を持つ参加者はいなかったという。
これらのことから、大規模言語モデルは利用者の質問を的確に解釈し、佐賀市が提供している保育施設利用に関する情報から適切な回答を生成し、わかりやすく提示できたことを確認したという。
AI LabとUTMDは今後、マーケットデザイン分野の学術貢献および、さまざまな自治体における行政効率や住民満足度の改善に貢献するとともに、公共政策や小売マーケティング等の分野における社会課題の解決をめざすとしている。