富士通Japanは12月15日、日常的に使っている言葉を入力することで、関連する図書をAIにより探索できる蔵書探索システムを、青山学院大学の研究所である「革新技術と社会共創研究所」と共同開発したことを発表した。横浜市立図書館に導入し、2024年1月15日から稼働を開始する。

  • AIを活用した蔵書探索システムのイメージ

    AIを活用した蔵書探索システムのイメージ

富士通Japanと「革新技術と社会共創研究所」は、図書館を中核とした新しい学習支援の創出を目指した「AIを活用した学びの支援」について2019年より共同で研究をおこなっている。

同研究では、コロナ禍による行動様式の変容や人々の学びにおける図書館利用シーンの変化を受け、文献探索におけるモデル化と、読書の頻度や図書館利用の頻度、探索に対する行動の傾向などに関する調査を実施した。その結果、探している文献のテーマやキーワードが明確でない段階や、興味や関心が潜在的な場合においてAIによる支援が有用であると結論付け、このたびAIを活用した蔵書探索システムを共同で開発したという。

AIを活用した蔵書探索システムは、図書館の利用者が図書を探す際にタイトルや著者が定まっていない場合でも、日常的に使っている言葉を入力することで、従来のキーワード検索では見つけられなかった図書を発見できるという。また、探索結果から興味・関心に近い図書を選ぶたびに、関連度の高い図書へと展開していくことで、読書の意欲を呼び起こし図書館の利用を促進するとしている。

今後、富士通Japanは、全国の公共図書館向けにAIをはじめとするデジタル技術の提供を通じて、生涯学習・リスキリングの推進に貢献する考えだ。また、両者は、公共図書館をはじめ、大学図書館や学校図書館なども含めた新しい学びの創出と学習支援に向けた共同研究を推進していくとしている。