IDC Japanは12月13日、9月に実施した国内ITインフラ運用動向調査の分析結果を発表した。ハードウェア運用も含めてITインフラ運用を内製化する割合は低下し、マネージドサービスを利用する意向が高まることが明らかになった。

  • FinOpsの取り組み状況

    FinOpsの取り組み状況

このレポートは、国内企業/組織におけるITインフラ導入の意思決定やITインフラ導入のプロセスに関与する回答者554人を対象に、IDCが2023年9月実施したITインフラ運用に関するアンケート調査の分析結果に基づく。

最も重要なワークロードまたは最も規模の大きな環境についてITインフラの運用形態を調査した結果では、自社スタッフを中心に運用する割合が低下。一方で、マネージドサービスを利用する割合は現在は10.5%だが、2年後の見込みでは26.2%へと大きく上昇するという。

この背景には、マルチクラウド化に伴うITインフラ管理や運用の複雑化、セキュリティ対応やIT管理者の確保の困難さ、運用管理コストの増加などがあるとIDCでは分析している。

なお、今回の調査ではマルチクラウド(複数のクラウド)を利用中となっている回答者は、現在71.6%、2年後の見込みでは83.1%に増加する結果となった。

昨今、世界的なインフレや為替変動の影響でパブリッククラウドコストの適切な管理が課題となっていることから、クラウド支出を継続的に最適化するフレームワークであるFinOpsが注目されているという。今回の調査では、FinOpsを実践している回答者は17.5%となった。また、FinOpsに限らずクラウド支出の最適化に取り組んでいる割合は62.6%となり、クラウドコスト最適化の取り組みが広がっていることが明らかになった。