OracleのPrincipal Software DeveloperであるJakub Chaloupka氏は12月12日、クラウドERP「Oracle NetSuite」におけるOracle GraalVMへのマイグレーションによりCPU時間の削減などの成果を生み出していることを公式ブログに掲載した。
既存のJDK(JDK 17.06)から、アプリケーションを実行しながらJavaバイトコードからプラットフォーム固有のマシンコードを作成するJITコンパイラを備えるGraalVM(Oracle GraalVM for JDK 17)環境への移行により、「Oracle NetSuite」でのリクエスト処理サーバーで平均1.08倍の高速化(CPU時間 7.39%削減)、バックグラウンドジョブ処理サーバーで平均1.07倍の高速化(CPU時間 6.37%削減)などを達成。GraalVMには、プログラミング言語の相互運用性をサポートするTruffleフレームワークが備わるが、Netsuiteではフレームワークを使用するGraal.jsをJavaScriptランタイムとして活用している。Jakub Chaloupka氏は、NetSuiteの核心は世界中の10,000以上のアプリケーションサーバー上で実行される約100,000のJavaクラスで構成される大規模なJavaアプリケーションだが、クラスパスの変更やアプリケーションが使用するライブラリとの依存関係の競合もなく移行はシームレスに実現できたと述べている。