中国上海の市場動向調査会社CINNO Researchが、2023年第3四半期における中国で上場している半導体製造装置企業の売上高ランキングトップ10を発表した。

それによると、中国で上場している半導体製造装置メーカー上位10社の同四半期の売上高合計は前年同期比36%増、前四半期比23%増の109億元となったという。同四半期の世界の半導体製造装置市場が前年同期比9%減となったのとは対照的に、プラス成長を遂げた企業が目立つ結果となっている。

売上高トップは、「中国のApplied Materials(AMAT)」とも呼ばれる総合半導体製造装置メーカーの北方華創(NAURA Technology)で、同四半期の半導体分野の売上高は前年同期比50.5%増の約53.6億元と2位以下を大きく引き離す結果となった。2位は、エッチング装置を手掛ける中微公司(正式名称は中微半導体設備(上海)、AMEC)で、売上高は同41.5%増の15.2億元。3位は洗浄装置メーカーとして知られ、近年は成膜装置にも進出し始めている上海盛美(ACM Research)で、売上高は同29.2%増の11.4億元となっている。この上位3社の顔触れは2023年上半期から代わり映えしない。

4位は薄膜成膜装置に注力している拓京科技で、主な装置としてはPECVD、ALD、SACVDなどがある。同四半期の売上高は同49.2%増の7億元となっている。5位は主にCMPを手掛ける華海青科で、同四半期の売上高は同45.6%増の6.1億元としている。6位はエッチングや洗浄装置などウェットプロセス装置を主に手掛ける新源微で、売上高は同30.2%増の5.1億元となっている。7位は検査機、選別機、プローブステーションなどの検査装置を手掛ける長川科技で、同四半期の売上高は同21.0%減の4.5億元としている。

8位は2023年に上場を果たした中科飛賽が初めてトップ10入りを果たした。同社は主にノンパターンウェハ欠陥検出装置、パターンウェハ欠陥検出装置、三次元トポグラフィ測定装置、薄膜厚さ測定装置などのプロセス制御機器に注力しており、売上高は同62.4%増の2.2億元としている。

9位は高純度プロセス統合システム、半導体ウェットプロセス装置、光センサ、光デバイスなどを手掛ける至純科技で、売上高は同21.3%減の2.2億元となっている。そして10位は、パッケージ用ダイボンディングマシン、コンデンサエージングテスト装置などを手掛け、LED用ダイボンディングマシンでは中国勢トップシェアとされる信義昌。その売上高は同27.1%減の2億元だという。

  • 中国で上場している企業の2023年第3四半期における半導体製造装置事業売上高ランキングトップ10

    中国で上場している企業の2023年第3四半期における半導体製造装置事業売上高ランキングトップ10(単位は億元)。このランキングには、集積回路の前工程製造、後工程のパッケージングとテスト、LEDとその他のパワーデバイス装置メーカーが含まれ、太陽光発電向け装置ビジネスは含まれない (出所:CINNO Research)

なおSEMIジャパンによると、12月13日より15日にかけて東京ビッグサイトにて開催されている「SEMICON Japan 2023」では、中国の製造装置・材料メーカーが38社出展しているという。前回のSEMICON Japan 2022では3社ほどであったのが大幅増となっているが、日本は政府の補助金支援策などもあり、半導体工場の建設ラッシュとなっており、中国の半導体製造装置メーカーにとっても魅力的な市場に映っているようである。