ラックが生成AIの社内活用を支援する新サービスを開始
ラックは12月12日、生成AI技術の安全な利用を支援する新サービス「生成AI 社内活用導入支援サービス」の提供を開始したことを発表した。組織内のデータを外部に送信せずに、セキュリティを確保しながら生成AIを活用できるようになるという。
このサービスにより、社員が膨大なデータを活用しながら自由に企画を提案できるようになるなど、業務での生成AI活用が期待できる。社内に蓄積したデータを活用し分析結果として文章を生成することで、サービス品質の向上や新サービスの開発などにもつながる。社内のデータはプライベート環境にとどまり、生成AIの懸念である情報セキュリティ面の課題に対応している。
また、社内の文書を同サービスに登録することで、自社独自の質問にも答えられるFAQを構築できる。社員が時間や場所を問わずに知りたい情報を得られるようになるため、業務の効率化が図れる。参照元も併せて提示する仕様で、情報の信憑性も確認できる。
チーム間で必要な情報を登録すると、チームメンバーは誰でも同じ情報にアクセスできるようになる。新たな情報が発生した際も遅延なくチーム全体に共有され、意思決定や作業の円滑化が見込める。自然言語(私たちが普段使っている日本語や英語などの言語)による対話形式で質問できるため、新規に参加するメンバーでも効率的に情報を収集できる。
生成AI利用時の課題を解消
米OpenAIが提供する「ChatGPT」などの生成AIは、インターネット上の膨大な情報を学習させている。ユーザーが要求する内容を満たしながら、あたかも人が書いたような自然な文章を出力するため、非常に注目を集めている。文書の要約やメールの文案作成、データ分析などさまざまな業務で生成AIの活用と業務の効率化が期待される。
しかし、生成AIはユーザーが入力した情報をインターネット経由で生成AIサービス提供者に送るため、それが新たな学習対象データになってしまうなど情報セキュリティ面での課題が指摘されている。
特に、顧客情報や取引データなどの重要な情報を生成AIに入力することで、結果として、不特定多数の生成AIユーザー向けに提供される文章の中に自社の機密情報が表示されてしまうリスクなどが挙げられる。
こうした課題に対し、今回ラックが提供する生成AI社内活用導入支援サービスは、マイクロソフトのクラウドサービスであるMicrosoft AzureにおいてAIを利用できるようにするサービス「Azure OpenAI Service」を使用しており、組織内のプライベートなセキュア環境でのみChatGPTを活用できるセキュアな情報分析プラットフォームの導入をサポートしている。