TOPPANは12月12日、「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」での活用が予定されている多言語同時通訳配信システムの、最適な表示に関する実証実験を、「SEMICON Japan」で実施することを発表した。

TOPPANグループは大阪・関西万博における自動翻訳システムでの協賛が決定しており、今回、大阪・関西万博での活用を想定して、海外からの講演者や来場者が多く訪れる「SEMICON Japan」での講演やシンポジウムなどにおいて、登壇者の発話内容をAI技術によって自動同時通訳した結果を、会場の大型スクリーンや参加者のスマートフォンに字幕表示する実証実験を行うことになったという。

  • 昨年度の「SEMICON JAPAN」のシンポジウムの様子(2022年12月 写真提供:SEMIジャパン)

    昨年度の「SEMICON JAPAN」のシンポジウムの様子(2022年12月 写真提供:SEMIジャパン)

これらの会場やスクリーンのサイズ、デバイスなどにあわせた文字のサイズや表示スピードなど、適切な表示を検証する実証実験を行い、最適な仕組みの構築を目指す。

実証実験の手順としては、登壇者の発話音声をマイクから取得し、音声情報をテキスト化。同時通訳エンジンが翻訳した後に翻訳内容の字幕を生成し、字幕配信ユーザインターフェースを生成する。そして会場大型スクリーン・参加者スマートフォン画面に翻訳結果の字幕を表示するといった流れになっている。

  • 実証実験のイメージ

    実証実験のイメージ

この実証を通じて、「登壇者およびシンポジウム参加者へ通訳内容を表示するユーザインターフェース」「登壇者およびシンポジウム参加者へ通訳内容を提供する運用体制」の2点を検証するという。

同社は、今回の実証実験を踏まえ、ユーザインターフェースの改善など、多言語同時通訳配信システムの構築を進め、2024年度中の販売開始を目指す。また、同時通訳技術の社会実装を通じて多言語コミュニケーション基盤を構築し、外国人との円滑なコミュニケーションの実現を目指していきたい考え。