Metaは12月6日(米国時間)、「Launching Default End-to-End Encryption on Messenger|Meta」において、MessengerとFacebookのすべての個人チャットと通話に対し、エンド・ツー・エンドの暗号化(E2EE: End-to-end encryption)の展開を開始したと発表した。これはかねてより実施していたエンド・ツー・エンド暗号化のテストにおいて、年内の展開開始が予定されていた(参考:「Metaが年内にMessengerを暗号化、非常に複雑で困難な作業 | TECH+(テックプラス)」)。
Metaによると、エンド・ツー・エンドの暗号化による追加のセキュリティ層によって、メッセージおよび通話の内容はデバイスから送信された瞬間から、受信者のデバイスに到達するまで保護されるようになる。これは、ユーザーが故意に開示しない限り、Metaを含む誰もその内容を閲覧できないことを意味する。この暗号化技術について、Metaは2つの論文を「Building end-to-end security for Messenger - Engineering at Meta」で公開している。この論文はセキュリティテクノロジーについてオープンでありたいというMetaの姿勢と、専門家と関わる機会を得たいという目的で公開したとのこと。
Metaはエンド・ツー・エンドの暗号化以外にも、次のような機能の変更を発表している。
メッセージの編集
送信が早すぎたメッセージ、または単に変更したいメッセージを送信後15分以内であれば編集可能になった。なお、不適切なメッセージが編集され隠蔽された場合でも不正行為を報告することは可能とされる。
消えるメッセージ
メッセンジャーの「消えるメッセージ」が、送信後24時間持続するようになった。また、消えるメッセージが有効になっていることを分かりやすくするために、インタフェースを改善した。この機能はエンド・ツー・エンドの暗号化の対象となっているメッセージでのみ利用できる。なお、不適切なメッセージが消えるメッセージとされていた場合においても不正行為を報告することは可能。消えるメッセージのスクリーンショットを誰かが取得した場合は通知される。
開封確認の制御
自分がメッセージを読んだことを通知するか決定できる。この機能により、すぐにメッセージに応答しなければならないというプレッシャを軽減できる。
写真とビデオのアップグレード
写真やビデオにアクセスしやすくなった。また、画質の向上と楽しいレイアウトも追加。コレクション内の写真やビデオに返信および反応できるようにするコントロールも導入された。
音声メッセージング
音声メッセージを1.5倍または2倍で再生できるようになった。また、中断したところから再開したり、チャットやアプリから離れた場合でも聞き続けたりすることが可能になった。
Metaによると、Messengerのユーザーは10億人を超える。このため、エンド・ツー・エンド暗号化の機能は全員がすぐに使えるわけではなく、数カ月かけて世界的に展開される予定。なお、Messengerをアップグレードすると、PINなどの回復方法を設定することが求められる。これは、デバイスの紛失、変更、または追加した場合にエンド・ツー・エンドの暗号化が有効な場合においてもメッセージを復元できるようにするためとのことだ。