自然言語処理のおすすめ本
近年、自然言語処理が注目されています。増大するデータを分析することが、従来の数値データから言語的データに拡大され、より効率的な活用に人工知能(AI)などが欠かせなくなっています。
ここでは、自然言語処理の概要とともに、おすすめ本を紹介していきます。
自然言語処理とは
自然言語処理とは、自然言語をコンピュータに処理させる技術を指し、AI活用により注目度が高まっています。特に生成AIでは、情報の検索や言語的な表現の正確性などから、より身近な用途として一気に利用者が増加しました。
エンジニアとしても、自然言語処理の領域に着目し、体系的に学ぶのが良いでしょう。
自然言語処理の用途
自然言語処理は、コンピュータによる自然言語の解釈や応答、データの分析などに使われます。具体的には、テキストマイニングやメールの抽出、SNSの投稿分析、英語などの多言語機械翻訳や音声認識など、多方面に利用されています。
最近ではChatGPTに代表されるAIチャットシステムによる文章や画像の生成・応答などにより、利便性がより高まっています。
自然言語処理で中心となる技術
自然言語処理を学ぶには、自然言語の解釈や応答など仕組みや動作の理解が必要です。そのため、プログラミング環境として、データ分析などに強みを持つ、Pythonのプログラミング環境を使うケースが多くなります。
同様に深層学習モデルとして、Googleが開発したTransformerなどを用いてトレーニングを行います。事前にトレーニング済みシステムとしては、GoogleのBERTや、OpenAIのGPTなどがあります。このような用語をあらかじめ理解しておくなどで、より効率的に自然言語処理を勉強することができるでしょう。
【参考】:Python
【参考】:Google Research Blog: Transformer: A Novel Neural Network Architecture for Language Understanding
【参考】:Google Research: BERT
【参考】:OpenAI
自然言語処理のおすすめ本10選
ここからは、自然言語処理のおすすめ本を紹介します。各書とも「入門」や「基礎」としていますが、難易度や解説範囲に違いがあります。それぞれの紹介内容を活用して、理想の1冊を追求してみましょう。
コピペで簡単実行!キテレツおもしろ自然言語処理 PythonとColaboratoryで身につく基礎の基礎
本書は、Pythonのサンプルプログラムを用いて自然言語処理を学ぶ、入門書です。初学者向けに、感覚的に自然言語処理を学んでいきます。難しい専門用語を使わずに、コピペでプログラムを実行しながら学べるため、学習の最初の1歩としておすすめの1冊です。
▪著者:youwht
▪ページ数:208ページ
▪出版社:翔泳社
▪発売日:2021/12/6
【参考】:コピペで簡単実行!キテレツおもしろ自然言語処理 PythonとColaboratoryで身につく基礎の基礎
文書分類からはじめる自然言語処理入門-基本からBERTまで-
本書は、Pythonを使って学ぶ、自然言語処理の入門書です。基礎の基礎として、これから自然言語処理の勉強を始めようとする人向けに最低限知っておくべきことが書かれています。分析手法の基礎からBERTまで多岐に渡りますので、軽く内容を知りたい方におすすめです。
▪著者:新納 浩幸、古宮 嘉那子
▪ページ数:206ページ
▪出版社:科学情報出版株式会社
▪発売日:2022/7/20
【参考】:文書分類からはじめる自然言語処理入門-基本からBERTまで-
実践 自然言語処理 ―実世界NLPアプリケーション開発のベストプラクティス
本書は、産業分野での活用を念頭に自然言語処理を学びます。基礎技術をカバーし、SNSやEコマース、医療・金融などの具体例に踏み込んでいきます。ビジネス領域として広く学べますので、ビジネスパーソンにおすすめです。ページ数は多めですので、時間に余裕がある際に活用しましょう。
▪著者:Sowmya Vajjala、Bodhisattwa Majumder、Anuj Gupta、Harshit Surana著、中山 光樹訳
▪ページ数:512ページ
▪出版社:オライリージャパン
▪発売日:2022/2/4
【参考】:実践 自然言語処理 ―実世界NLPアプリケーション開発のベストプラクティス
IT Text 自然言語処理の基礎
本書は、自然言語処理の基礎知識や考え方を整理した参考書です。自然言語処理の概要や機械学習のモデル、自然言語処理で行われる系列ラベリング、構文解析、意味解析などを体系的に学ぶことができます。
初心者のみならず、研究者や技術者が本格的に学ぶための教材としても利用価値が高いでしょう。
▪著者:岡﨑 直観、荒瀬 由紀、鈴木 潤、鶴岡 慶雅、宮尾 祐介
▪ページ数:320ページ
▪出版社:オーム社
▪発売日:2022/08/24
【参考】:IT Text 自然言語処理の基礎
作ってわかる!自然言語処理AI〜BERT・GPT2・NLPプログラミング入門
本書は、自然言語処理で使用される深層学習モデルに着目した入門書です。入門とはいえ深層学習モデルのTransformerをじっくり解説していることから、中級レベルの参考書として利用価値が高いと言えます。
TransformerはBERTやGPT2などで採用されるもので、構造を理解することでより、AIの有効活用が可能になるでしょう。
▪著者:坂本 俊之
▪ページ数:264ページ
▪出版社:シーアンドアール研究所
▪発売日:2022/1/18
【参考】:作ってわかる!自然言語処理AI〜BERT・GPT2・NLPプログラミング入門
現場で使える!Python自然言語処理入門
本書では、Pythonでの利用とともに、商用サービスのAPIアクセスを解説しています。具体的にはオープンソースのMecabやElasticsearch、Word2Vecをカバーするとともに、商用サービスのIBM Watsonを解説する、珍しい構成をとっている書籍です。
両方を使用する場合は有益な情報ですが、オープンソースのみの利用者は、オープンソースの専門書を探すのも良いでしょう。
▪著者:赤石 雅典、江澤 美保
▪ページ数:376ページ
▪出版社:翔泳社
▪発売日:2020/1/20
【参考】:現場で使える!Python自然言語処理入門
機械学習・深層学習による自然言語処理入門 scikit-learnとTensorFlowを使った実践プログラミング
本書は、自然言語処理で「日本語」のデータを扱うことに、着目した参考書です。何らかのプログラミングの経験がある方をターゲットとして記述しており、実装したプログラムにより、日本語データを活用することができます。
▪著者:中山 光樹
▪ページ数:336ページ
▪出版社:マイナビ出版
▪発売日:2020/2/27
【参考】:機械学習・深層学習による自然言語処理入門 scikit-learnとTensorFlowを使った実践プログラミング
BERTによる自然言語処理入門
本書は、BERTを手軽に学べるように分かりやすい説明で構成する参考書です。BERTをタスク別に説明し、理解を深めていきます。あくまでも一般的な用語やBERTの仕組みまでを説明するものですので、詳細を理解する場合には、別の書籍を併用すると良いでしょう。
▪著者:近江 崇宏、金田 健太郎、森長 誠、江間見 亜利、ストックマーク株式会社 編
▪ページ数:200ページ
▪出版社:オーム社
▪発売日:2021/06/28
【参考】:BERTによる自然言語処理入門
BERT入門ーープロ集団に学ぶ新世代の自然言語処理
本書は、BERT初学者向けの書籍です。BERTを理解しながら、広く自然言語処理を学ぶことができます。Transformerを深く学ぶための最初の1歩として、教材を活用することもできます。Colabで動くサンプルコードが提供されますので、実際に手順を確認することができます。
▪著者:佐藤 大輔、和知 德磨、湯浅 晃、片岡 紘平
▪ページ数:180ページ
▪出版社:リックテレコム
▪発売日:2022/8/6
【参考】:BERT入門ーープロ集団に学ぶ新世代の自然言語処理
BERT/GPT-3/DALL-E 自然言語処理・画像処理・音声処理 人工知能プログラミング実践入門
本書は、多くのフレームワークを紹介する実践的な参考書です。実際にソフトウェアを導入し、深層学習を進めていきます。初学者向けというよりは中級レベル以上の方が主な対象者となりますので、不明な用語などは別の参考書を併用し、理解を深めましょう。
▪著者:布留川 英一
▪ページ数:312ページ
▪出版社:ボーンデジタル
▪発売日:2021/9/01
【参考】:BERT/GPT-3/DALL-E 自然言語処理・画像処理・音声処理 人工知能プログラミング実践入門
自然言語処理のおすすめ本を理解したら実際に操作してみよう
ここまでで、自然言語処理のおすすめ本から勉強に使う候補がいくつか決まってきたことでしょう。実際に書籍を用いて勉強していき、理解が進んだらプログラミング環境を操作するのが良いでしょう。
書籍から得られる知識を吸収することでインプットとなり、それを実際に操作したりコード開発したりすることでアウトプットとなります。この反復トレーニングで確実に知識が身につくことでしょう。