AI(人工知能)などの先端技術を活用して、生活者の個人情報を識別する「顔識別カメラ」が社会に浸透しつつある。
イオングループの一部店舗では、AIカメラを約150台導入し、人気商品を棚前で解析したり、売り場に長期滞在する顧客を検出したりしている。またレジ前では客の年齢を識別し、未成年への酒類販売の防止にもつなげている。
万引き対策にも最新型の顔識別カメラは貢献している。啓文堂、大盛堂、MARUZEN&ジュンク堂の渋谷3書店は、2019年7月末から、顔認証システムで作り出した万引き犯の可能性のある人物の画像を共有している。その人物が来店すると、システムが通知を出して店員に注意を促し、被害を未然に防いでいる。
個人情報のグレーゾーンに「忖度」を
その一方で、顔を識別される側の生活者は、カメラ画像による個人の情報が正しく扱われているのかどうかといったことに敏感だ。また「監視されているみたいでなんとなく嫌だ」といった漠然とした不安を持つ人も少なくはないだろう。