伊藤忠商事とシノプスは12月8日、食品バリューチェーン最適化プラットフォーム「DeCM-PF」の機能の1つである「特売リードタイム長期化サービス」を提供開始することを発表した。

  • 食品バリューチェーンの最適化プラットフォーム「DeCM-PF」

    食品バリューチェーンの最適化プラットフォーム「DeCM-PF」

DeCM-PFは小売業・卸売業・製造業をつなげることで、食品バリューチェ―ンを最適化するプラットフォーム。小売業の実績や計画に基づいてAIが算出した需要予測データを、卸売業や製造業に連携することで食品流通の課題を解決し、バリューチェーンの最適化を目指す。

このたび提供を開始した「特売リードタイム長期化サービス」は、食品スーパーマーケットで販売する特売商品における納品リードタイムを延長化させるサービス。AIが特売品の需要予測を14日先まで行うことで、従来は数日前に確定していた小売業から卸売業への発注を14日前に確定する。

同サービスの活用によりリードタイムを延長することで、卸売業の特売期間中の追加発注の対応に向けた在庫調整業務の負荷軽減や、車両及びドライバーの手配の計画性の向上、物流センターの過剰在庫や欠品リスクの抑制が期待できるとしている。 

小売業で行った実証実験では、特売初週の総発注量を100%としたときに、追加での発注の割合が飲料のカテゴリで69%から2%、即席麺のカテゴリで72%から17%まで削減したという。さらに事前に追加発注数が確定するため追加発注に備える必要がなく、物流センターの在庫数が削減したことで稼働効率が向上するという声もあるという。

同サービスの実証実験をすでに実施している複数の小売業への2024年中の正式展開を目指し、DeCM₋PFの構築や提案を進める構えだ。今後は特売品だけではなく、定番品でのリードタイム延長化や物流センター向けの在庫圧縮サービスなど、複数のサービス展開を検討しているという。