アフラック生命保険は現在、コアビジネスである生命保険事業に加え、保険の枠にとらわれない「『生きる』を創る。」に合致する新たな領域でもデジタル技術を最大限活用し、社会的課題の解決などの新たな価値を創造するために取り組んでいる。そのどちらの領域でもデジタルを活用しているほか、2023年にはデジタルサービスを提供する子会社の営業を開始するなど、積極的にDXを進めている。11月6日~17日に開催された「TECH+ EXPO 2023 Autumn for データ活用 データで拓く未来図」に、同社 執行役員の松尾栄一氏が登壇。アフラック生命保険が取り組む新領域のサービスやDXの内容を紹介し、デジタルの活用によって目指している姿について説明した。

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デジタルを活用し、生命保険事業以外の領域にも展開

講演冒頭で松尾氏は、同社がコアビジネスである生命保険事業に加え、それ以外の新たな領域における新たな価値の創造、そしてそれらを支えるための基盤づくりの3つを柱として、全社でDXを推進していると述べた。

現在同社が注力している取り組みの1つは、「キャンサーエコシステム」の構築である。がん患者の人生には、発病前の通常生活、診断と告知、再発まで含めた治療、そして治療後から人生の最終段階という4つのフェーズが考えられる。通常の生命保険は告知や治療のときに保険金を支払うだけだが、4つのフェーズ全てを通し、病院や行政など関係団体も含めて寄り添えるような仕組みをつくろうというのがキャンサーエコシステムの試みだ。

「お客さまとお約束した生命保険契約の責任を果たすのはもちろんですが、生活の全てに広く寄り添うことを大事にしたいと考えています」(松尾氏)

  • キャンサーエコシステムのフェーズとステークホルダー、提供価値

また、デジタルを活用したサービスを提供するビジネスも開始した。子会社として営業を開始したアフラックデジタルサービスでは、DXサービスの企画や開発・販売、データ分析事業のほか、さまざまなサービスのIDを一括管理できる共通IDの発行と管理を担っている。高齢化や医療費高騰などの社会的課題に対しては、産学官連携によるソリューションの提供も始めているという。

「DXのニーズがあり価値を提供できるのはこういうところなので、特に力を入れています」(松尾氏)

リアルとデジタルを融合する「ADaaS」

同社がDXを推進する中で重視しているのが、リアルとデジタルの融合だ。

  • リアルとデジタルの融合のイメージ図

その一例となるのが「ADaaS/Aflac Digital as a Service」である。これは顧客や販売代理店、ビジネスパートナーのDX推進をサポートするためのクラウド型のデジタルサービスだ。店舗用と自宅用の両方で展開するスマートミラー「アフラックミラー」や、名刺やパンフレットに二次元コードを記載して動画で商品紹介や自己紹介などを行う「ARサービス」、VRゴーグルやARグラスを使ってがんをリアルに理解してもらう「XRデバイス」といった同社のデジタルサービスを、顧客、販売代理店、ビジネスパートナーなどはいつでも自由に使える。

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