スカパーJSATと日本電信電話(以下、NTT)の合弁会社であるSpace Compassは12月5日、マイクロソフトと共同で軌道上衛星のコンピューティング環境で動作するソフトウェアの開発および実証について合意したことを発表した。
この共同実証は、2019年12月にマイクロソフトとNTTの間で締結された、デジタルソリューションの実現に向けた戦略的提携の一環として実施する。観測衛星が撮像した画像データを軌道上で処理できるようにすることで、効率的かつリアルタイムな衛星データ活用を促進する。
今回の実証において、Space CompassとマイクロソフトはCo-Engineeringチームを立ち上げ、衛星から地球上の特定の場所における船舶をリアルタイムに検知するアプリケーションの開発に着手した。このアプリケーションは2024年6月に打ち上げ予定の観測衛星(Loft Orbital:YAM6)上のコンピューティングリソース上に実装され、軌道上にてスペースエッジコンピューティングの効果を検証する予定。
両社は今後、軌道上でのエッジコンピューティング実証について、船舶検知だけでなくさらに多くのアプリケーション開発やその実証に取り組むという。これらの実証で得られた知見を活用して軌道上でのエッジコンピューティング機能をサービスとして実現し、高速かつ大容量の光データリレーサービスを組み合わせ、リアルタイムかつ地上のクラウド基盤とシームレスに衛星データを活用できるソリューションの実現を目指す。