2023年の半導体市場最終予測は前年比10.9%減の5340億ドル
市場調査会社のGartner(ガートナー)は12月4日(米国時間)、2023年の半導体市場は前年比10.9%減の5340億ドルに留まるものの、2024年は同16.8%増の6240億ドルと大きく回復するとの2023年末時点での予測を発表した。
同社が4月に発表した2023年の市場予測では同11.1%減の5322億ドルとしていたが、生成AIの市場拡大に伴うGPUの急激な伸びが、スマートフォン(スマホ)やPC、生成AI以外のデータセンター分野の落ち込みをカバーした結果、最終的には以前の予想よりも若干の上振れへと修正される結果となった。
2024年の半導体市場回復はメモリ市場がけん引
また、2024年の半導体市場についてはメモリ市場の急回復がけん引役になるとの見通しを示している。メモリ市場は2023年に供給過剰と価格下落の影響から、NANDが同38.8%減の354億ドルまで落ち込むことが予想されているが、同社では今後3~6か月で価格が底となり、サプライヤ各社の状況が改善され、それに伴い、2024年は同49.6%増の530億ドルとなると予測している。
一方のDRAM市場も供給過剰と価格下落の影響を2023年は受けたものの、第4四半期以降、価格は反発しており、その価格上昇効果が2024年に現れてくるため、2024年は同88%増の874億ドルとなると予測しており、これらメモリ市場の2桁成長が、ほかの半導体デバイスの底上げとなり、2024年は全体的に回復の年になるとの見通しを示している。
さらに、生成AI向けGPUのニーズはAIサーバ、アクセラレータともに堅調に推移するとの見通しも示している。同社では、2027年までにAI技術がデータセンターのアプリケーションに統合されることで、AIサーバの比率が20%以上に高まると予想している。