米国商務省傘下の特許商標庁(USPTO)は、「CHIPS for Americaプログラム(いわゆるCHIPS法)」を支援し、米国における半導体製造革新のための研究、開発、イノベーションを促進し、該当特許の審査を迅速化する「Semiconductor Technology Pilot Program(半導体技術パイロットプログラム)」を発表した。

2023年12月1日に審査迅速化の特許申請の受け付けを開始し、2024年12月2日まで、あるいは1000件の特許申請受理日のいずれか早い方まで優先審査を受け付けることにしている。

このパイロットプログラムは、特定の半導体製造に関する革新(半導体デバイスの生産量を増加させ、半導体製造コストを削減し、半導体サプライチェーンを強化するための革新)に向けた特許出願の審査を迅速化することにより、半導体産業の改善を加速することを目的としたものだという。

これにより半導体デバイスを製造するための特定のプロセスおよび装置を対象とした適格な実用的な特許出願は、他の特許審査を差し置いて優先的に審査されることとなる。

米国のジーナ・レモンド商務長官は、「CHIPS法は、米国のイノベーションの新たな波を促進し、国家安全保障を推進し、世界的な経済競争力を維持するまたとない機会であるが、この新しいUSPTOプログラムにより、国内の半導体製造への投資を奨励するために重要な知的財産保護を優先することが保証される」 と述べている。

また、米国商務省の知的財産担当次官 兼 米国特許商標庁長官のキャシー・ヴィダル氏は、「半導体デバイス製造に関連する特許出願の迅速な審査により、主要なイノベーションの市場投入が加速され、我が国のサプライチェーンが強化されることになる。電話から自動車、その他の日常的に使用される機器の革新に至るまで、このプログラムの目標は、半導体チップの海外依存を減らしながら、より多くの最先端技術をより早く消費者の手に届けることである」と述べている。