NXP Semiconductorsは、次世代の安全性と精度を持つリアルタイム位置特定機能と短距離レーダーを搭載し、セキュアなカー・アクセス、子供の存在検出、侵入警告、ジェスチャー認識など、複数のユースケースに1つのシステムで対応する完全統合型の車載用1チップUWBファミリ「Trimension NCJ29D6」を発表した。
セキュアなカー・アクセス向けの次世代UWBデバイスである同製品は、測距と近距離UWBレーダーの両方を1チップMCUに統合しており、これにとり自動車(OEM)メーカーは、単一のUWBベースのカー・アクセス・システムのみでフレキシブルな多目的プラットフォームを構築して同一ハードウェアで複数のユースケースに対応できるため、冗長システムを排除してコスト、スペース、重量を削減できるようになるとNXPでは説明している。
スマホからハンズフリーで車にアクセス
また、セキュアなカー・アクセスを強化するため、ユーザーはUWB対応スマートフォン(スマホ)のデジタル・キーからハンズフリーで車にアクセスすることも可能となるという。高いRF感度、同時動作の2つのレシーバー・チェーンによりアンテナ・ダイバーシティと到達角度(AoA)をサポートしており、他のUWB対応機器の距離や移動方向のわずかな変化を検出できる点が特徴だとしている。
さらに同社では、ピン互換性があり、近距離UWBレーダーによってNCJ29D6Bの位置特定機能を拡張し、これらの機能を1チップMCUに統合した車載用デバイス「NCJ29D6A」も用意。これによりOEMはUWBベースのカー・アクセス・システムのみで多目的プラットフォームを構築できるようになるため、同一ハードウェアで複数のユースケースに対応でき、例えばセキュアなカー・アクセスに加え、子供の存在検出やシートベルト・リマインダー向けの車内センシング、自動トランク・オープン用キック・センサ、さまざまなタイプのスマート・ジェスチャー認識を統合することなどが可能だという。
なお、同ファミリデバイスはすでに大手OEMによって統合され、2025年モデルの自動車に搭載される予定になっているという。