キャプテラは12月5日、全国の企業で購入の意思決定に携わる350人を対象に実施したアンケート調査び結果から、「企業が経験したソフトウェア製品導入への満足度と後悔」をまとめたレポートを発表した。最後に購入したソフトウェアに対し9割が満足していた一方で、約6割が過去1年半で購入したソフトウェアに後悔していたことが明らかになった。

  • 企業におけるビジネスソフトウェアの導入状況

    企業におけるビジネスソフトウェアの導入状況

過去1年間に購入されたSaaS製品のトップ3は、1位が顧客関係管理(CRM)(47%)、2位が人事管理、タレントマネジメント(47%)、3位がLMS学習管理システム」(46%)。それ以前に導入されたソフトウェアのトップ3は、1位が経理、財務会計(38%)、2位がITセキュリティ(35%)、3位がスケジュール管理(31%)となった。

2024年の主要な課題についての質問では、「有能な人材の確保」(30%)、「従業員のスキルアップやトレーニング」(29%)、「新規顧客や取引先の獲得」(29%)という回答があがったことから、企業がこれら課題に対応するためCRMや人事管理、LMS製品を導入していることがうかがえる。また、SaaS製品購入の際に、製品ベンダーのリストを作ると答えた企業が8割以上(必ず作成する:44%、時々作成する:37%)ということも明らかになった。

  • 購入したソフトウェアに対する企業の満足度

    購入したソフトウェアに対する企業の満足度

購入したソフトウェアに対する満足度を尋ねると、9割の回答者が満足(やや満足:61%、非常に満足:29%)していた。製品の高評価ポイントとして「機能」(71%)、「使いやすさ」(56%)、「価格に見合う価値」(54%)が挙がり、製品を提供するベンダーの高評価ポイントとしては「応答の速さ」(65%)、「カスタマーサポート/テクニカルサポート」(60%)、そして「オンボーディング/導入」(42%)と続いた。

一方で、「過去1年半の間に購入したIT製品について、購入者として後悔していることはありますか?」という質問に対して、「1件の購入に対して後悔している」が26%、「複数の購入に対して後悔している」が33%と、1年半で導入した製品に後悔した経験がある意思決定者が約6割いることも明らかになった。その理由は、「コスト総額が予想よりも高かった」(31%)、「既存のシステムとの互換性がない」(30%)「必要な機能の不足や技術的な導入の難しさ」(28%)であった。

  • ソフトウェア購入に対する後悔

    ソフトウェア購入に対する後悔

2023年と比較した2024年のソフトウェア支出の増減を予想してもらったところ、支出の増減を10%以上増やすという回答が合計36%、10%未満の差でほぼ同じだろうという回答が57%と、日本企業にとってのデジタル化の重要性が依然として高く意識されていることが示された。また、2024年のソフトウェア投資の優先先として多く挙げられたのは、「ITセキュリティ」(27%)、「販売管理」(21%)、「IT管理」(19%)そして「経理・財務会計」(18%)であった。

なお、同レポートは、キャプテラのWebサイトに掲載されている「SaaS導入に失敗しないためのポイント【DX調査報告】」の一部を抜粋したもの。