Nexperiaは11月30日(欧州時間)、三菱電機のSiC-MOSFETチップを採用したSiCパワーデバイスの第1弾として2製品を発表した。
Nexperia初となるこれら1200Vディスクリートデバイスは、3ピンTO-247パッケージを採用したRDS(on)40mΩ品「NSF040120L3A0」ならびに80mΩ品「NSF080120L3A0」となっており、電気自動車(EV)用充電ステーション、無停電電源装置(UPS)、太陽光発電/エネルギー貯蔵システム(ESS)用インバータなどの産業用アプリケーションにおける、高性能SiC-MOSFETの供給を求める市場ニーズに対応することを目的に開発されたものであり、今後もさまざまなオン抵抗ならびにパッケージング品種を提供していくとしている。
三菱電機とNexperiaが協力して開発したこれらのSiCパワーデバイスは、SiC-MOSFETにおいて重要な性能パラメータとされているRDS(on)について、+25℃~+175℃の動作温度範囲で公称値として38%の増加に留めることができる温度安定性を提供するとしているほか、ゲート総電荷量(Qg)も低いため、ゲート・ドライブ損失を低減するというメリットも提供されるとしている。加えて、Qgs(ゲート-ソース・チャージ量)に対するQgd(ゲート-ドレインチャージ容量)の比が低くなるように工夫することで、セルフターンオン時のデバイス耐性も向上させたともしている。
なお、2製品ともすでに量産可能な状態で、Nexperiaでは今後、車載グレード品の発売も予定しているという。