2年に一度開催される世界最大規模のロボット専門展「2023国際ロボット展(iREX2023)」が2023年11月29日から12月2日にかけて東京ビッグサイトにて開催されている。ユニバーサルロボットのブースでは、11月29日に発表した1300mmリーチで本体重量63.5kgと軽量ながら可搬重量30kgを可能とした次世代協働ロボット「UR30」を中心に9つの実機を用いたデモを行っている。
ブース中央に置かれたUR30のデモは積まれた20kgを超すタイヤを次々と持ち上げ、積み直すというもの。リーチが1300mmかつ、設置面積Φ235mmというコンパクトな作業範囲で、重いものを持ち上げる様子を見ることができ、多くの来場者の注目を集めていた。
パレタイジングの自動化を手軽に始められるオールインワンパッケージ
UR30のデモのほか、同社では2022年に発表した次世代協働ロボットの第1弾「UR20」を用いた高速パレタイジング自動化ソリューションのデモも公開されている。
こちらは、UR20に加え、固定式架台、ハンド、パレットセンサ、操作ボタン、表示灯、空圧機器、ソフトウェアなどパレタイジングの自動化に必要な機器をワンパッケージ化して提供するもの。最大18kgの可搬重量(専用ハンドを除く、ワークの重量)で最大2150mmの積み上げ高さに対応しつつも、横800mm×奥行1310mmのコンパクトな設置面積を実現(1100mm角パレット2枚使用時は3000mm×1310mm)している。また、リフトを使用して移設・再配置も可能で、16種類のツール構成により、幅広いワーク寸法に対応するという。
ハプティクスを活用して遠隔地での把持の感触をリアルタイムで把握
またパートナーとの出展として、慶応義塾大学発ベンチャーのモーションリブと協力する形で、ハプティクスを活用した感触・力加減が必要な作業の遠隔化・自動化に関するデモも公開されている。
こちらは、2台の協働ロボットを、協働ロボット用感触伝送遠隔操作ユニット「URH」で接続することで、互いの動きや力をリアルタイムで同期させることを可能にするというもの。センサを用いずにロボットの抵抗の変化などを活用する形でフィードバックを行うことで、離れた場所であっても、把持する際の感触や力加減をリアルタイムで操作者に伝えることを可能としたという。実際に試してみると分かるが、思っている以上にレスポンスが早く、ラグを感じないで操作できるので、自分が思った通りの作業をたやすく離れたロボットに行わせることができる感触を味わうことができる作りとなっていた。
このシステムそのものは協働ロボット以外にも活用可能とのことで、その応用範囲の広さも売りになるとのことであった。