ソフトバンクは11月30日、同社の法人顧客を対象に11月13日〜15日の期間実施した「ITトレンド・生成AIの利用実態調査」に基づいた、2023年のIT流行語ランキングとビジネスにおける生成AIの利用状況をまとめて公開した。2023年のIT流行語ランキングは「生成AI」が約9割の支持を受け圧倒的1位となった。
2023年に注目されたITのトレンドとして思い浮かぶキーワード、IT流行語を質問したところ、「生成AI」が支持率91.0%と、2位以下に圧倒的な差をつけてIT流行語ランキングの1位となった。2位は「DX」(支持率28.7%)、3位は「メタバース」(同19.3%)であった。
「普段の生活における生成AIの利用頻度」について尋ねると、「毎日使っている」から「最近は使っていないが、使ったことはある」までの回答が63.3%であるのに対し、「ビジネスにおける生成AIの利用頻度」は55.4%。このことから、個人的な関心から生成AIに触れたことがうかがえる。
しかし、「普段の生活で週に1回程度使っている」以上の高い利用頻度で回答した割合は28.8%であるのに対し、ビジネスで週1回以上使っていると回答した人は32.2%と、先ほどと状況が逆転した。務の高度化・効率化を目的とした生成AI利用の習慣化が、ビジネス面ではある程度定着していることがうかがえる。
役職別でみると、「毎日使っている」と回答した「本部長以上」の割合は12.1%で最多となった。これは「課長以上」(6.0%)の約2倍に達するほか、「一般社員」(7.9%)も大きく引き離し、生成AIの有用性について理解した上層部の管理職が徹底的に使い込んでいる実情が明らかになった。
また、生成AIを「使ったことはない」と回答した人の割合を企業の売上高別に分類すると、「10億円未満」が52.4%、「10〜300億円未満」が44.6%、「300億円以上」が36.7%と、規模の大きい企業ほど生成AIを使う傾向が高いことが明らかになった。
「生成AIをビジネスで利用しない」と回答した人に理由を尋ねると、「使い方がわからない」が250票(28.4%)で最多。次いで「業務に合う生成AIサービスが存在しない」が228票(25.9%)、「使うメリットがわからない」が206票(23.4%)、「情報流出などセキュリティ上の懸念がある」が203票(23.0%)で上位を占めた。
ビジネスで生成AIを利用していると回答した1,095名のうち、「会社や部門で導入検討しているが導入前」「検討も導入もしていない」と回答した人は250名で、生成AIを意欲的に利用している人が存在するにもかかわらず、組織全体としては生成AIの導入が進んでいない割合が22.8%にのぼることがわかった。