日本国内における宇宙ビジネスの中心地・日本橋を舞台にしたアジア最大級の宇宙ビジネスイベント「NIHONBASHI SPACE WEEK 2023」が、11月27日に開幕。12月1日までの5日間にわたって開催される同イベントに先立ち、日本橋三井ホールにてオープニングセレモニーが行われ、イベントを主催するクロスユーで理事長を務める東京大学大学院 工学系研究科の中須賀真一教授らが、宇宙業界を盛り上げる同イベントへの期待を語った。
3回目となる今回は2023年発足のクロスユーが主催
今年で3回目の開催となるNIHONBASHI SPACE WEEKは、国内外の宇宙に携わるプレイヤーが一堂に会するアジア最大級の宇宙ビジネスイベントで、昨年は延べ約7000名が参加したとのこと。今回はさらに規模を拡大し、54の企業・団体が出展する「EXHIBITION」をはじめ、世界各国の宇宙産業振興や日本政府としての宇宙領域への取り組み、スタートアップが取り組む新規宇宙ビジネスなどをテーマとした産学官の宇宙関係団体によるビジネスカンファレンス、各プレイヤーたちの交流を促進するネットワーキングの機会など、5日間で20の宇宙関連イベントが実施される予定だ。
今回のNIHONBASHI SPACE WEEKは、2023年4月に始動した宇宙ビジネス共創プラットフォームのクロスユーが主催。本格稼働から半年ほどで会員数が200を超えるなど、宇宙ビジネス業界を牽引する同団体が先導し、宇宙産業の新たなアイデアを生み出すことを目指すという。
また、日本橋での宇宙ビジネスの拡大や共創の促進を目指すプロジェクト「X-NIHONBASHI」などを通じて宇宙産業に注力する三井不動産も、共催者という形で参画する。1990年代後半より官民地域で一体となった「日本橋再生計画」を推進する中で、2019年からは宇宙領域の発展に向けた取り組みを進める同社も、宇宙産業のオープンイノベーション推進に貢献していくとしている。
出会いや仲間づくりが日本橋のあちこちで生まれる5日間に
クロスユーの理事長を務める中須賀教授は、6月に行われた宇宙基本計画の改定などの動きを見せる現在の宇宙業界について「ベンチャーを中心として宇宙の活動を盛り上げて、強い産業にしていくための政策が実施され始めているところ」と表現し、そういった状況を「千載一遇のチャンス」だとしたうえで、NIHONBASHI SPACE WEEKの重要性を語る。
また宇宙事業をメインに据えるいわゆる“宇宙ベンチャー”に限らず、それ以外の分野を主戦場としながら、その事業を大きくするために宇宙を活用するという「イネイブラー」として、非宇宙産業の企業を巻き込むことも重要だとする。実際、200を超えるクロスユーの会員のうち7割程度が非宇宙企業・団体だといい、今回のイベントでも「非宇宙産業に携わる人々が来て、最新の宇宙動向を知り、事業での活用を考えるきっかけになることを期待している」とのこと。「宇宙産業の次のステップに向けた出会いや仲間づくりの機会が日本橋のあちこちで起こる5日間になることを祈念している」と話した。
なおオープニングセレモニーには、複数の宇宙スタートアップが出展するオーストラリアの駐日大使であるジャスティン・ヘイハースト氏、2018年より日本橋に新事業促進部を置く宇宙航空研究開発機構(JAXA)の山川宏理事長、日本航空宇宙工業会の会長を務めるIHIの満岡次郎代表取締役社長なども登壇。イベントを通じた宇宙産業の発展について期待を語った。