エヌ・ティ・ティテレコン(以下、NTTテレコン)は11月27日、さまざまな設備監視ソリューションの更なる普及拡大に向け、LPWA(Low Power Wide Area:小電力で長距離通信できる無線通信技術)端末「グッとびくん・M2」を利用した「水温監視ソリューション」の提供を開始することを発表した。同社はこれにより、ガソリンスタンドの洗車機のボイラ稼働を適切に運用できるようになるとしており、ガソリンスタンド事業のDX(デジタルトランスフォーメーション)に寄与するとのことだ。
同サービスは市販の温度センサーを通信端末に接続することで、NTTテレコンの集中監視システムでセンサー情報の確認やアラート通知を受け取れるようになるサービス。使用しているグッとびくん・M2は主にLPガスの遠隔検針用の通信端末でありながら、市販のセンサーと組み合わせて利用可能だという。
温度、湿度、照度、振動、開閉、傾き、水位、電流、電源、気体残量など、複数の監視サービスをワンストップで対応する。新しい端末の開発コストがかからず、端末からクラウドまでをワンストップで安価に提供できる点を特徴としている。
オカモトホールディングスは北海道帯広市を拠点に、ガソリンスタンド事業や自動車整備事業、フィットネス事業、コインランドリー事業などを展開している。同社はドライブスルー洗車機を運用しているが、北海道は冬の寒さが厳しく、何もしなければ洗車に使う水が凍結してしまい、洗車機の停止や配管へダメージが生じるおそれがあったという。
そこで、冬場は洗車に使う水をボイラーで温めることで凍結防止を図っていたが、ボイラーを稼働させるための灯油代コストが増加し、スタッフが属人的に水温を測ってボイラーを運用していたため、人的な稼働増が課題となっていた。また、人の感覚に任せていたため店舗ごとに差異が生じたり、ボイラ稼働が不要な時期にオフし忘れによりコストが増したりする課題も生じていた。
そこでNTTテレコンはオカモトに対し水温監視ソリューションを提案し、まずは道内の1カ所2設備でトライアルを開始したとのことだ。その結果、適切なボイラー稼働の運用ができるようになり、年間100万円ほどの灯油コスト削減に成功したという。