デロイト トーマツ コンサルティングは11月27日、P.A.I.(パーソナル人工知能)をはじめ、AIクローン技術でつくり出すパーソナルAIの開発および実用化を行うオルツと、クライアントの課題を解決するための生成AIの利活用促進について共同取り組みを開始することを発表した。
具体的に、まずは国内金融機関を対象に「AIクローンを活用した社員の生成AIリテラシーの向上」「生成AIの実装に向けた企業ごとの個別LLM(大規模言語モデル)の開発」「生成AIを活用した新たな顧客体験の創造」という3つのテーマでソリューションの提供を共同で推進するという。
AIクローンを活用した社員の生成AIリテラシーの向上について今回の共同取り組みでは、社員のリテラシーを高めるための、独自の人材開発プログラムとしてAIクローンを活用する。
具体的にはデロイト トーマツの生成AIに対するナレッジをベースとした一般社員向けのコンテンツを開発するとともに、オルツのノーコード生成AIプラットフォームである「altBRAIN」を活用することで社員が自らAIクローンを複製し、その過程でLLMの中身を理解し、AIリテラシーを高めていくものとなっている。
生成AIの実装に向けた企業毎の個別LLMの開発については、デロイト トーマツが有するLLM運用指針およびセキュリティに関する知見や経営全般にわたる課題解決能力と、オルツの高度なLLM開発ノウハウをベースにクライアントの課題解決を行う。
まずは多くの秘匿性の高い情報を扱い、また規制上の要件や書類作成などの業務が多く生産性向上の余地が高いと考えらえる日本国内の金融業界を対象に、クライアントに最適でかつ安心安全なLLM構築を共同で推進する方針。
金融機関ごとに個別LLMを開発することで、情報流出のリスクを払拭しながら各機関固有の業務データを学習させ、個々のニーズ合う生成AI活用の推進、生産性を向上に結び付けたい構えだ。
生成AIを活用した新たな顧客体験の創造については、デロイト トーマツが金融ビジネスでこれまで蓄積してきたコンプライアンスを満たしながらの顧客体験設計のノウハウと、オルツの日本語商用プライベートLLMとしては国内最高ランクのLLMを融合することで、金融ビジネスの顧客体験の常識を覆す取り組みを推進していくとしている。