Googleは11月21日(米国時間)、「Bard's Latest AI Capability Updates & Improvements」において、生成AI「Bard」の実験的な新機能としてYouTube動画の内容を理解して情報を取得できるようになったとアナウンスした。このアップデートによって、料理の作り方を紹介するビデオからレシピの材料をリストアップするなど、個々のビデオを再生することなく主要なポイントがわかるようになるという。

  • Bard's Latest AI Capability Updates & Improvements - Bard

    Bard's Latest AI Capability Updates & Improvements - Bard

BardはGoogleが開発中の対話型の生成AIである。2023年3月に発表されて以来着実にアップデートを重ねており、9月にはGmailやGoogleドキュメント、GoogleマップといったGoogleの各種サービスと連携する拡張機能「Bard Extensions」が公開されている。

Googleによれば、最新のアップデートではYouTube動画の内容を理解する能力が向上しており、コンテンツの内容を理解して回答に反映させることが可能になっているという。利用例としては、ケーキの作り方に関する動画を探している場合に、一番最初の動画で紹介されているレシピに必要な卵の数を尋ねることができると説明されている。

似た例として「美味しい肉じゃがを作るYouTube動画から、手順を写真付きで教えてください」と質問してみたところ、確かに写真付きで肉じゃがのレシピが表示された。これをYouTubeで肉じゃがの作り方を紹介しているいくつかの人気のある動画の内容と比べたところ、必要な材料については細部を除いてほぼ動画と一致していた。

メークインを推奨している点も動画の通りだったが、その理由や作り方の細かな手順など、どの動画を参考にしたのかわからない箇所も多々あった。肉じゃがのレシピはYouTube動画以外にもインターネット上に無数の情報があるため、回答の中でYouTubeから得た内容がどの程度使われているのかは定かではない。

  • YouTube動画を参考にした肉じゃがのレシピを尋ねてみた

    YouTube動画を参考にした肉じゃがのレシピを尋ねてみた

Google自身が説明しているように、BardのBard Extensionsはまだ開発の初期段階にある。YouTube動画についてもまだ学習の途上であり、実用的な回答を得られるようになるにはもう少し時間が必要かもしれない。