キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)は11月20日、グループ会社であるキヤノン電子の新製品として、マイナンバーカードなどの公的証明書と金融機関のキャッシュカードの読み取りに特化し、金融機関の本人確認業務を効率化する「個人認証カードリーダー ID-MY2」を2024年4月1日に発売すると明らかにした。今後、公的個人認証サービス(JPKI)1にも対応を予定し、価格はオープン。
金融機関における顧客の本人確認業務は不正行為やマネーロンダリングの防止、犯罪による収益の移転防止に関する法律(犯収法)遵守のために重要な役割を果たしており、犯収法では、所定の取引における本人確認の手法が規定され、政府はマイナンバーカードを使った公的個人認証による本人確認(犯収法「ワ」要件)を推奨している。
さらに、2024年以降、金融機関窓口における公金受取口座の登録申請の受付開始を予定しており、金融機関にはマイナンバーカードへの対応が求められている。また、業務効率化と収益性向上を目指し、営業店舗事務のデジタル化・セルフ化を進めており、簡単かつ正確に本人確認ができる仕組みづくりが課題となっているという。
新製品は、マイナンバーカード、運転免許証、在留カードなどの公的証明書のIC読み取りと全国銀行協会(全銀協)の仕様に準拠した銀行キャッシュカードの磁気・IC読み取りに対応。
iPad/Android/Windows OS搭載のスマートデバイスを組み合わせることで金融機関窓口における公的証明書やキャッシュカードによる本人確認の業務負荷が低減され、セルフ手続きによる店舗省人化も期待できるという。
また、渉外業務や生命保険契約業務など、外出先での本人確認や口座振替手続きにおいて専用用紙への記入や印鑑による確認が不要になるため、手続きの短縮化とペーパーレス化を実現するとしている。
今後、サイバートラストが提供するビジネスプロセスのデジタル化を促進するトラストサービス 「iTrust(アイトラスト)」シリーズの「iTrust 本人確認サービス」と連携し、公的個人認証に対応を予定しており、厳格な本人確認を可能としている。