NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)とメドレーは11月20日、福島県双葉町において、オンラインでの処方依頼および服薬指導、処方薬の患者宅への配送に関する実証実験を2023年11月21日より開始することを発表した。同実証は双葉町が進める「令和5年度福島県双葉町オンライン服薬指導実証事業」の一環として実施する。
実証では、双葉町診療所で医師による診察を受けた患者が自身の指定する調剤薬局に対して処方箋を送信し、診療所内に設置した専用モバイル端末によってオンライン服薬指導を薬剤師より受け、配送された処方薬を自宅で受け取る。これにより、院外処方の実現に向けた有用性評価と課題抽出を行う。実証期間は11月21日から2024年3月31日。
東日本大震災の被災地でもある双葉町では、2022年8月30日の一部地域での避難指示解除に伴い、生活インフラの整備が進められている。2023年2月1日には、避難指示解除後初の医療施設となる双葉町診療所が開所した。町内には調剤薬局がなく、現在は処方薬を診療所内で調剤しているという。
しかし、患者のさまざまな病状に合わせた処方薬を提供するためには、多くの医薬品を取り扱っている診療所外の薬局と連携した院外処方が必要となる。また、処方薬を診療所内で調剤できない場合は、後日改めて診療所で処方薬を受け取るか、患者自身が診療所外の薬局へ行き調剤を受ける必要があったとのことだ。
今回の実証を通じて、ICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)を活用したオンラインでの処方依頼と服薬指導、および配送が実現することで、患者は幅広い医薬品の提供と速やかな調剤を受けられるようになるという。