米Applied Materials(AMAT)は11月16日(現地時間)、2023年度第4四半期(2023年8~10月)および通期の決算を発表した。
それによると、第4四半期の売上高は前年同期比0.4%減の67億2300万ドル、GAAPベースでは売上総利益率47.1%、営業利益19億7000万ドル(売上高の29.3%)だった。
また2023年度通期の売上高は前年度比3%増の265億1700万ドルとなり、過去最高を更新したという。GAAPベースでは、売上総利益率46.7%、営業利益76億5000万ドル(売上高の28.9%)だった。
同社社長兼CEOのGary Dickerson(ゲイリー・ディッカーソン)氏は「2023年度に過去最高の売上高、利益、キャッシュフローを計上し、5年連続でウェハ製造装置(WFE)市場の平均を上回る成長を達成した。半導体業界が力強い流れによって今後数年にわたり拡大していく中、AMATは広範な製品ポートフォリオ、強固な顧客関係、そして主要なテクノロジーの転換におけるリーダーシップを生かし、利益ある企業成長を目指す好位置にある」とコメントしている。
フラッシュメモリ向け製造装置売上高が減少
同四半期の売上高のうち、半導体システム事業部門の売上高は前年同期比3.2%減の48億8300万ドルとなり、全体の73%を占めた。内訳としては、ファウンドリ・ロジック向けが69%、DRAM向けが27%、フラッシュメモリ向けが4%となった。また、通年は前年度比4.8%増の1906億9800万ドルとなり、全体の74%を占めており、内訳としてはファウンドリ・ロジック向けが77%、DRAM向けが17%、フラッシュメモリ向けが6%となっている。
2022年度第4四半期のフラッシュメモリ向け売上高比率は13%であったことから、売上高が大きく減らしたことが見て取れる。
半導体システム事業部門以外の業績としては、アプライド・グローバルサービス部門の同第4四半期の売上高は前年同期比3.6%増の14億7100万ドル、通期売上高は前年度比3.3%増の57億3200万ドル、ディスプレイおよび関連事業部門の同第4四半期の売上高は前年同期比15.5%増の2億9800万ドル、年間売上高が前年度比34.8%減の8億6800万ドルとしている。
また、売上高比率を地域・国別にみると、2023年度第4四半期は中国が44%、台湾が14%、米国が12%、韓国が11%、日本が10%、欧州が7%、東南アジアが2%となったほか、通年では中国が27%、台湾が21%、韓国が18%、米国が15%、欧州が8%、日本が8%、東南アジアが7%となっており、中国向けの売上高が第4四半期に急増したことが見て取れる。米国の対中半導体規制の強化を察知した中国半導体企業が駆け込みで一気に発注を増やしたものと思われる。
なお、同社は2024年度第1四半期の売上高を64億7000万ドル±4億ドルと予測している。