Sansanは11月20日、請求書関連業務に携わる1000名のビジネスパーソン(経理部門:500名、経理以外の部門:500名)を対象に実施した「インボイス制度開始後の実態調査」の結果を発表した。これによると、インボイス制度開始前後で比較すると経理担当者1人あたり月12時間ほど業務が増加したことが分かった。経理部門全体で考えると、より多くの時間を要していることになり、月次決算時期に業務時間が増えたことに多くの企業が課題を感じている実態が浮き彫りになった。
インボイス制度対応に課題を感じている経理担当者は約7割にのぼった。そのうち約4割「請求書業務の負荷が増えた」、約3割が「社内理解が不十分で混乱が生じた」と回答。「受領した請求書が適格請求書ではなかった」、「適格請求書かどうかの判定が困難だった」といった回答も目立った。
「請求書によって登録番号が記載されている箇所が違うので、確認に時間がかかる(金融業)」「インボイス制度に関する知識を現場に周知するのに課題を感じた(小売業)」といった声が寄せられた。
また、受け取った請求書の確認方法は「経理担当者が目視確認」が約7割で最多だった。一方で、登録番号の確認を特にしていないと回答した人も1割を超えており、受け取った請求書が適格請求書かどうかの確認を行っていない人も一定数いることが判明した。
負担が増えているのは経理部門だけではない。約7割の経理以外の部門の担当者がインボイス制度開始後に「業務が増えた」と回答している。多くの人が「受け取った請求書が適格請求書かどうかの確認」、「受け取った請求書に不備があった場合の修正対応」といった業務に負担を感じている。
具体的には「まずインボイス制度を理解するのに時間がかかり、日々の確認業務にも時間を要している(製造業)」、「登録番号が記載されていない領収書を受け取ってしまった(運輸・物流業)」といった声が寄せられた。