外務省は、APEC首脳会議などに出席するため米国訪問した日本の岸田文雄内閣総理大臣が11月15日、サンフランシスコにて米国半導体工業会(SIA)のJohn Neuffer CEO兼プレジデントをはじめとしたSIAに所属するメンバー企業の経営陣の表敬訪問を受けたことを明らかにした。

出席した企業は、Micron Technology、Qualcomm、GlobalFoundries、TSMC、Marvell Technology、Intel、Skyworks、Analog Devices、AMD、Synopsis、Western Digitalの11社。岸田首相は、「半導体は経済安全保障上もっとも重要な戦略物質の1つであり、日本も必要な供給力の確保に全力で取り組んでいる」と述べたほか、「1つの国・地域で半導体のサプライチェーン全体をまかなうことは困難であり、日米連携が重要である」との認識を示し、今後も日米連携の機会はさらに拡大すると認識していることを述べ日本への投資を促した。

これに対し、米国企業の出席者たちからは、半導体産業に対する日本政府による支援への謝意とともに、日本企業の技術力に高い期待が示され、半導体産業における日本との協力をさらに進めていきたいといった発言があったという。

  • SIA所属企業幹部たちの表敬を受ける岸田首相
  • SIA所属企業幹部たちの表敬を受ける岸田首相
  • SIA所属企業幹部たちの表敬を受ける岸田首相(出所:内閣広報室、外務省)

また、このほか17日には岸田首相が同じくサンフランシスコにて、台湾政府代表としてAPEC首脳会議に参加している張忠謀(Morris Cnang)氏と非公開の場で会談を行ったという。

岸田首相からは、人的往来、特に次世代の交流の重要性などが述べられたとともに、台湾は基本的価値を共有し、緊密な経済関係と人的往来を有する極めて重要なパートナーで大切な友人であり、経済や民間交流を中心に幅広い分野で日台間の協力と交流を深めていきたいといったことが語られたほか、台湾海峡の平和と安定および両岸をめぐる問題の平和的解決の重要性についても言及がなされ、張忠謀代表からも、日台関係のさらなる強化への期待が示されたという。

今年92歳の張忠謀氏は、1987年に台湾でTSMCを創業した実業家として世界的に知られている人物。2018年に台湾のAPEC総統特使に任命され、APEC首脳会議にChinese Taipei代表として出席を続けている。