Microsoftは11月16日(米国時間)、Windows InsiderプログラムのRelease Previewチャネル向けにWindows 11 23H2 Build 22631.2787をリリースした。このビルドによって、欧州経済領域(EEA)内のユーザのみ、WindowsからMicrosoft EdgeとBingによる検索機能を完全にアンインストールできるようになった。これはEUが2023年7月に採択したデジタル市場法(DMA: The Digital Markets Act)に対応するための処置であり、セットアップ時にEEA内にあるPCに対してのみ適用されるという。
Windowsにあらかじめインストールされているシステムアプリの一部は、ユーザーが自分でアンインストールできないように設定されている。Microsoftは近年この制限を緩和しており、Build 22631.2787では新たに次のアプリがアンインストールできるようになった。
- カメラ
- Cortana
- Microsoft BingでのWeb検索
- Microsoft Edge
- フォト
これによって、MicrosoftはWindowsの全てのアプリがアンインストールできるようになったとしている。ただし、これらのうちBingでのWeb検索とEdgeについては、アンインストールできるのはEEA内のPCのみになる。
EUは、DMAに基づいてMicrosoftをはじめとする6社を独占的なプラットフォームの運営者である「ゲートキーパー」に指定し、対象とするサービスに関してDMAが定める義務を順守するための順守報告書の提出を求めている。WindowsからEdgeとBing検索をアンインストールできるようにする処置は、このDMAに対応するためであり、EEA以外の地域のPCには適用されない。
Microsoftによると、EEAに特化したこの機能は、Windowsのセットアップ時にPCがEEA内にあるかどうかを識別して有効化されるという。一度セットアップされると、設定はPCをリセットすることによってのみ変更できる。
Windows ウィジェット ボードのフィードと Windows SearchのWeb検索は、通常はBing検索にひもづいており、ユーザーはこれを変更することはできない。今回Bing検索をアンインストールされたことに伴って、EEA内ではGoogleなどの他の検索プロバイダーをこれらのWindows機能にセットできるようになる。また、Windowsのシステム機能からhttpおよびhttpsのWebサイトを直接開く場合、通常はEdgeが使用されるが、これもEEA内では任意のWebブラウザに変更できるようになっている。
Microsoftは、これらのDMAへの対応処置をプレビュー版のWindows 11でテストした後に、Windows 10にも段階的に展開する方針だという。最終的には、DMAで定められた期限である2024年3月6日までに、Windows 11 23H2およびWindows 10 22H2に適用される予定となっている。