A10ネットワークス(A10)は11月15日、サイバー攻撃から企業のネットワークとアプリケーションを保護するためのセキュリティポートフォリオとして「A10 Defend Suite」を新たに展開すると発表した。
A10 Defend Suiteは、AIによって強化されたゼロデイ検知機能、分析機能、新たな攻撃や未知の攻撃から保護するプロアクティブな脅威インテリジェンスを備えた、総合的なDDoS攻撃対策ソリューションとして展開する。
「A10 Defend Detector (旧A10 Thunder TPS)」は、フローベースでDDoS攻撃を検知する高性能なアプライアンス製品。早期警告機能を提供し、攻撃が発生する前にDDoS攻撃からの防御を実現する。
また、「A10 Defend Mitigator (旧A10 Thunder TPS)」は自動化に対応したDDoS攻撃緩和ソリューションで、「A10 Defend Orchestrator(旧aGalaxy)」はA10 Defend Suiteで構成する防御環境を統合管理できるソリューション。
A10 Defend Detectorは上記の2つのソリューションと組み合わせることで、DDoS攻撃からの防御を自動化し、高い拡張性とともに提供できるとしている。
さらに、A10はDDoS脅威インテリジェンスサービスを2024年第1四半期に提供開始し、A10 Defend Suiteへ統合することを予定している。全世界で1540万以上のDDoS攻撃を追跡調査しているA10のセキュリティリサーチチームの専門知識に基づいたDDoS攻撃の脅威情報が提供されるとしている。
また同社は、今回発表したA10 Defend Suiteに加えて、米Fastlyの次世代型WAF(Web Application Firewall)をA10 Thunder ADCに統合した「A10 Next-Gen WAF, Powered by Fastly」も2023年5月から日本国内で提供を開始している。
DDoS攻撃は、その規模や頻度、巧妙さにおいて増加の一途をたどっている。DDoS-for-hire(DDoS攻撃請負)、ハクティビズム、地政学的勢力などのすべてがサイバー脅威の増加の一因となっており、DDoS攻撃の効果を高めるためにAIを利用するケースも増加している。こうしたサイバー攻撃に対処するために、AIを活用しマルチベクトル型攻撃を予測する新たなアプローチが求められていると同社は指摘している。