パナソニックは11月14日、電子レンジなどの製造・販売を行うパナソニック マニュファクチャリングイギリス(PMUK)で、純水素型燃料電池と太陽電池を活用した自家発電により、事業活動で消費するエネルギーを100%再生可能エネルギー(再エネ)で賄うための電力需給運用の実証を、2024年より開始する予定であることを発表した。
パナソニックの「RE100ソリューション」は、必要な電力需要や設置場所に合わせて最大250台まで連結可能な5kWタイプの純水素型燃料電池を用い、太陽電池および蓄電池と組み合わせつつ高度に連携制御することで、電力需要変化や天候による再エネ出力の変化に追随する電力需給調整を行い、発電の余剰やムダを抑えながら再エネを安定的に供給するソリューションだ。
また同社によれば、地産地消の分散型エネルギーパッケージにより災害時のレジリエンス性を高めるとともに、5kW単位で発電を行う純水素型燃料電池を電力需要に応じて最適に運転制御することで、水素発電設備としての長寿命化や無停電のメンテナンスを可能にするなど、使用環境下での保守性に優れているのも強みだとする。
今般発表されたPMUKでの実証においては、5kWタイプの純水素型燃料電池21台(合計出力:105kW)、太陽電池(290kW)、蓄電池(1MWh)の設備を新たに導入。工場が位置する英・カーディフでの気象変化や電力事情に応じた電力需給運用を検証し、電子レンジ工場のRE100化を目指すという。
パナソニックは、純水素型燃料電池を活用することで、設置スペースの削減や安定電源の確保に限らず、水素発電時に発生する熱を暖房・急騰に利用するなど、さらなるエネルギー効率の向上も図るとしており、PMUKでのRE100ソリューションの実証を通じて、地域特性に最適なソリューションを開発するとともに、水素事業に関連する現地パートナー企業やビジネス顧客との関係構築に取り組むとしている。