メルカリが11月13日に発表した2023年7~9月期の連結決算(国際会計基準)は、純利益が前年同期比346%増の28億円だった。売上高にあたる売上収益は11%増の443億円、営業利益は74%増の48億円だった。
国内のフリーマーケット事業や金融事業が業績を押し上げた。同期間におけるフリマ事業の取引高合計(GMV)は前年同期比12%増の2460億円で、月あたりのアクティブユーザー数(MAU)は2300万人を超えた。越境取引における連携企業数の拡大や、特定カテゴリーの需要に連動したマーケティングを開始するなど、GMVの成長加速に向けた強化領域施策が寄与したとのこと。
電子決済サービス「メルペイ」などを展開する金融事業の売上収益は35%増の93億円だった。フリマアプリ「メルカリ」の実績に応じて作れるクレジットカード「メルカード」は、2022年12月にすべてのユーザが申込可能となってから、1年足らず(約11カ月)でカード発行枚数200万枚を突破した。
メルカードのユーザによる「メルカリ」内のARPU(課金ユーザ1人あたりの平均課金額)向上効果が継続するとともに、出品増加への寄与も見え始めており、グループシナジーの創出が進捗している状況だ。また、ビットコイン売買サービスも口座開設数がローンチから7カ月で100万を突破した。同社は「メルカリ」内でビットコイン決済を可能にする機能の提供に向けて開発を進めている。
さらに同社は11月13日、スポットワーク事業に参入し、求人プラットフォーム「メルカリ ハロ」を2024年初春にローンチすると発表した。同社のMAU2300万人のユーザ基盤を活用し、これまでの「モノ」「お金」「信用」の循環に「時間・スキル(働く)」を加えていく計画だ。
将来的には既存事業と組み合わせ、例えば、働いた給与を即時に「メルペイ」で受け取り、「メルカリ」や日常お買い物での決済や「メルカード」の支払いに活用する、「働く」ことで得た信用を実績としてメルカリに蓄積していくといったシナジーの創出を目指していく。事業環境や今後の実証実験の結果を勘案しながら、今後の投資計画を策定していく予定だ。