KDDI、シャープ、日本総合研究所、やさしい手は11月13日、シャープのコミュニケーションロボット「RoBoHoN」に、対話AIシステム「MICSUS」を搭載した対話AI搭載型ロボットを活用した介護サービスの実証を実施することを発表した。実証期間は11月17日〜12月18日。実施場所および対象は、やさしい手が運営する東京都内のサービス付き高齢者向け住宅、棟外利用者(計10名)。
この実証では、自宅や、やさしい手のサービス付き高齢者向け住宅で暮らす高齢者の居室に対話AI搭載型ロボットを設置することで、MICSUSによる言語コミュニケーションだけでなく、ロボットによる身ぶり手ぶりなどの非言語コミュニケーションを組み合わせて効果を検証する。対話AI搭載型ロボットが高齢者の日常生活に溶け込む身近な存在になることで、ロボットへの関心維持および高齢者のコミュニケーション不足解消を図るという。
従来の「MICSUS」に「雑談機能」「対話履歴と対話要約の共有機能」「注意すべき回答があった際の警告機能」を追加し、介護業務に必要な情報だけでなく、雑談を通じた高齢者の日常の関心など、情報収集量の増加を図る。さらに、健康状態や日常の関心などを家族へ共有することで、離れた場所で暮らしている家族と高齢者とのコミュニケーションを活性化し、健康に関する注意すべき回答があった際は専用サイトで警告画面が出るため、不測の事態があった際の迅速な対応が可能だという。
実証においては、高齢者の普段の生活リズムに合わせロボットの発話時刻をケアマネジャーなどが事前に設定。指定時刻になるとロボットから高齢者へ話しかけ、健康状態のヒアリングやイベントの案内などを実施する。また、発話時刻以外でも高齢者からロボットに呼びかけることで雑談が可能。健康状態だけでなく、雑談の会話内容もケアマネジャーと家族へ共有し、家族が健康状態だけでなく高齢者の興味・関心なども把握できるため、家族と高齢者とのコミュニケーションの活性化を図れるとしている。
この実証を通じて4社は、本ロボットによるケアマネジャーなどの業務負荷軽減や高齢者と家族とのコミュニケーションの活性化への効果を検証し、少子高齢化に伴う介護人材不足の解決に貢献するとしている