ソフトバンクは11月10日、富士通の次世代光伝送装置「1FINITY Ultra Optical System T900」をはじめとする、オープンネットワークに対応したディスアグリゲーション型光伝送システムによるAll optical networkのコア領域での全国展開を、10月26日に完了したことを発表した。
All optical networkは、通信ネットワークのすべての領域に光の技術を採用した環境配慮型ネットワーク。ソフトバンクのIPルーターに、長距離伝送可能なコヒーレント型光トランシーバー(DCO)を搭載し、富士通が新規開発した「1FINITY L211」を用いて接続することで、光伝送システム内での光電変換を一切行わずにAll optical接続を可能にする。
光伝送システムに水冷トランスポンダー技術を適用することで、冷却効率が従来の空冷システムと比較して2倍となり、2RUサイズの筐体に最新のコヒーレントデバイスを12基搭載することで400GbEを36本収容可能。ソフトバンクが従来使用している機器と比較し、収容密度を4倍に向上、消費電力を約50%削減したという。
また、冷却構造をすべて装置内に収めるクローズドループ型とすることでファシリティーの改修を不要にし、期待寿命20年の高信頼性とメンテナンスフリーのシステムを実現している。
従来型設備との接続時も、最新の光電変換技術により従来比約50%の低消費電力化を実現し、あらゆる接続環境で高い電力効率を発揮できるという。通信性能の向上も図り、1対の光ファイバーを用いて従来の約2倍となる最大48.8Tbpsの大容量・高速伝送を実現。また、ディスアグリゲーション型C+L ROADMアーキテクチャーにより必要に応じたシステムアップを可能とし、Cバンドのみで開通後、あとからLバンドを追加することができ、通信トラフィックの需要に応じた柔軟な機器の構成が可能ととなる。
ソフトバンクは、この光伝送システムの導入により、今後のBeyond 5G/6Gを見据えて、増え続けるデータ通信の需要を満たしながらカーボンニュートラルを実現するネットワークの構築をめざす考えだ。