森記念財団 都市戦略研究所(所長:竹中平蔵氏)は11月9日、2008年より調査・発表している、「世界の都市総合力ランキング(Global Power City Index)」の2023年版を発表した。
同ランキングは、国際的な都市間競争において、人や企業を惹きつける“磁力”は、その都市が有する総合的な力によって生み出されるという考えに基づき、世界の主要48都市を評価し、順位付けしたもの。
今年は、パンデミックや為替変動など、社会経済情勢の変化が著しかったポストコロナ時代に影響を特に受けた社会や暮らしの指標(航空ネットワーク・生活コスト・賃金・働き方など)が、都市の総合力を構成する 6分野(経済、研究・開発、文化・交流、居住、環境、交通アクセス)のランキングに反映される結果となった。
今年のトップ5は、上からロンドン、ニューヨーク、東京、パリ、シンガポールとなり、昨年から順位に変化はなかった。
ただし、東京は昨年から総合スコアが落ちている。「居住」では大きく順位を伸ばしたが、「経済」では過去最低となる10位に転落してしまった。
東京の「経済」が大きく下落した原因として、「GDP」(2位)「世界トップ 500企業」(2位)が強い一方、「GDP 成長率」(47位)、「優秀な人材確保の容易性」(40位)、「法人税率の低さ」(43位)など、例年の課題が改善されない点が挙げられている。
さらに、今年は「賃金水準の高さ」(29位)や、コワーキングスペース数やインターネット速度で測る「ワークプレイス充実度」(22位)でも順位を落としたという。