早稲田大学(早大)と三菱電機は11月8日、「サステナビリティ社会の実現に向けた包括連携に関する基本協定」を締結したことを発表した。
早大は、カーボンニュートラル社会の構築を目指し、2021年11月にカーボンニュートラル宣言を行った。その実現に向けて、2022年12月にはカーボンニュートラル社会研究センターを設置し、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーなどの最先端の研究開発や人材育成を推進するとともに、同大学が創立150周年を迎える2032年をめどに、各キャンパスにおけるCO2排出量の実質ゼロ化達成を目指しているとする。
一方の三菱電機は、サステナビリティの実現を経営の根幹に位置づけ、「カーボンニュートラル」「サーキュラーエコノミー」「安心・安全」「インクルージョン」「ウェルビーイング」を注力する5つの課題領域として設定し、事業を通じた社会課題解決による持続可能な社会への貢献を目指している。中でも社会全体のカーボンニュートラル化に向けては、「グリーン by エレクトロニクス」「グリーン by デジタル」「グリーン by サーキュラー」の3つのイノベーション領域での研究開発を加速しているという。
これまで両者は、エネルギーマネジメント技術の分野で共同研究を実施してきた。そして今般、サステナビリティ社会の実現に向けて、産学連記による研究・教育や人材交流の強化を図ることを目的として包括連携に関する基本協定を締結。その目的を達成するため、三菱電機が掲げる5つの課題領域における共同研究のテーマを探索するとともに、研究開発・教育およびそれにかかる人材交流や育成などについて、連携した活動を行っていくとしている。
早大と三菱電機は、今回の協定の枠組みのもと、最初の取り組みとして両者共通の重要テーマであるカーボンニュートラルに加え、ユーザーにとって大切な快適性や健康などのウェルビーイング視点も取り入れることで、得られた成果を早期に社会実装することを目指すとする。さらに、他の領域における共同研究のテーマも探索していくとした。
加えて、両者のネットワークを活用しながらほかの大学・企業・地域と連携し、社会全体への展開を図るとし、社会に貢献する研究開発成果の創出と、それを牽引していく中核人材の育成に取り組んでいくとしている。