富士紡ホールディングスは、主力の半導体CMP用研磨材(CMP用研磨パッド)事業の拡大に向けて、同社の台湾にある連結子会社である台湾富士紡精密材料に、最先端の研究開発センターを新たに設置し、研磨材の開発を現地で行うことを決定したと発表した。

投資総額は約57億円で、2026年秋ごろの稼働開始を予定している。台湾富士紡精密材料は2017年に設立され、台南市の南部科学技術園区にて研磨用パッドの量産工場を稼働させてきた。

市場調査会社の予測などでは、半導体市場は56/6Gの普及、AI、メタバース、IoTなどの新たな市場の成長などに伴い、2030年には100兆円市場へと成長することが期待されている。

それだけの規模になると、さらなる半導体工場の建設や生産ラインの増設などが期待されることとなるが、同社も半導体製造工程の1つ、CMPに向けた超精密加工用研磨パッドを日台で製造してきたが、そうした市場背景を踏まえ、CMPの用途拡大に向け、半導体業界の中でも最先端の半導体関連企業が集積している台湾に研究開発施設を設置することにしたとしている。

研究開発施設内にCMP装置や評価分析機器などを設置することにより、同社の顧客とほぼ同等のCMP工程に関する環境を実現することを計画しており、それにより顧客ニーズへのきめ細かい対応を可能歳、高性能かつ高品質の研磨材製品の開発を推進していくという。