Kaspersky Labは11月6日(現地時間)、「Kaspersky gaming-related threat report 2023|Securelist」において、ゲーム関連で最も多くサイバー攻撃の標的となったのはMinecraftユーザーだと伝えた。Minecraftは四角いブロックを設置して自由な建築を楽しめるマルチプラットフォームのサバイバルゲーム。

  • Kaspersky gaming-related threat report 2023|Securelist

    Kaspersky gaming-related threat report 2023|Securelist

Kaspersky Labによると、ゲームプラットフォームは支払い情報から個人情報まで、豊富な情報が保存されているため、サイバー攻撃者にとって魅力的な標的だという。また、サイバーセキュリティ意識の低い若年層のゲームユーザーを狙うために、MinecraftやRobloxなどの実況配信されるゲームが悪用されることが増えているとのこと。

Kaspersky Labは2022年7月1日から2023年7月1日までに調査を実施。この調査によると、調査対象となった14のゲームのうち、サイバー攻撃者に最も人気があった標的はMinecraft(70.29%)で、これにRoblox(20.37%)、CS:GO(4.78%)が続く。Minecraftは2023年時点で月間アクティブユーザー数が1億6000万人を超えており、サイバー攻撃者にとって魅力的な標的となっている。調査期間内の攻撃で、Minecraftユーザーの13万人以上が影響を受けたという。

  • 脅威アクタが標的としたゲームの割合 - 提供:Kaspersky Lab

    サイバー攻撃者が標的としたゲームの割合 引用:Kaspersky Lab

Kaspersky Labは標的となりやすい若年層を保護するための対策として、以下を推奨している。

  • 子供のオンライン活動に関心を示し、情報共有する
  • 子供のオンライン活動を監視できるペアレンタルコントロールアプリを導入する。ペアレンタルコントロールを行う場合は子供と制限範囲などについて話し合い、その必要性と脅威の存在について説明する
  • オンラインで保護すべき個人情報と、実生活で知人と共有する個人情報について子供に説明する。実生活で共有する情報をオンラインではなぜ共有しないのかを説明し、子供たちに正しい行動規範を示す
  • オンラインで安全に活動する方法について子供たちと時間をかけて話し合う。また、保護者は自らの行動が子供たちに悪影響を与えていないか、日常の行動パターンに注意する
  • 子供が楽しめる形でサイバーセキュリティについて話し合う

また、サイバー攻撃者は保護者も標的にしているとして、保護者に対して次のような対策を推奨している。

  • ゲームはプラットフォーマーの公式ストアからのみインストールする。公式ストアが絶対に安全とは限らないものの、ある程度の安全性を保つ努力が行われている
  • プラットフォーマーの公式ストアから購入できないゲームを遊びたい場合は、ゲームを開発した企業の公式サイトからダウンロードする。ダウンロードするときはURLを再度必ず確認し、フィッシングサイトからダウンロードしないようにする
  • フィッシングキャンペーンや見知らぬユーザーに注意する。信頼できないユーザーからのチャットやメールのリンクおよび添付ファイルは開かない
  • たとえ正規のサイトからのリダイレクトだとしても、海賊版や違法コンテンツをダウンロードしない
  • ゲームプレイに影響が少ない信頼のおけるセキュリティソリューションを導入する

ゲームを活動の場とするサイバー攻撃者の目的は、ほとんどが経済的利益を得るためとされる。世界全体のゲーム市場は推定で2,423億ドル超に達すると見られ、2030年までに2倍以上に増加すると見込まれている。また、世界の5人に2人はゲームをしているという調査結果もある。こうした背景から、サイバー攻撃者はこれまで以上にゲーム市場を標的とすることが懸念されている。